記念館便り ― 記念館からみなさまへ

記念館便り

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。

2011.07.04 奇跡

記念館だよりをご覧のみなさま、こんにちは!夏が好きなくせに夏バテ気味の木山です。

先日、私は突然ぎっくり腰になり、立ち上がることもできなくなり、声を出すのも痛く、咳やくしゃみなんてしようもんなら激痛に襲われ、仕事を休ませていただきました。少人数で運営している当館は一人休むとスタッフ全員に迷惑がかかり、大変心苦しかったのですが、どうやっても真っ直ぐ立つことができず、出勤しても全く役に立たない状態でした。スタッフのみなさんにこの場を借りて、お詫びとお礼を申し上げたいと思います。

映画『奇跡』の試写会の最後に是枝裕和監督が「みなさんにとって奇跡とはなんですか?」と問いかけたそうです。私はぎっくり腰になり、普通の生活が普通にできなくなって、「普通」って奇跡だなと感じました。

思うように体を動かせず、トイレに行くにも風呂に入るのも重労働で、夜中に痛みで目が覚め、そんな大変な思いをして、日々の健康で平穏な毎日がどれだけ幸せなことかという事に気づかされました。人間とは欲深い生き物で(みんながそうとは限りませんが)、今の幸せで充分なはずなのに、慣れてくるともっともっと、と上を望んでしまいます。世の中には、病気や悩みを抱えて大変な思いをしている方がたくさんいらっしゃると思います。健康で毎日普通の暮らしができるってすばらしい事ですよね。「喉元過ぎれば・・・」にならないよう日々の「普通」に感謝して毎日を大切に過ごそうと改めて思いました。

余談ですが、仕事を休ませていただいた日、記念館のスタッフから「お加減はいかがですか?」と電話をいただき、横で聞いていた2歳の娘が代わってというので代わると「いつもお世話になってます」と挨拶をして、私もスタッフもびっくりというか私はうれしくて、泣き笑い状態でした。以前、お休みの日に記念館へ連れてきた時に、「いつもお世話になってますって言うんよ」と教えたもののその時は全く言えず、それを覚えていた事にもびっくりですし、今その言葉を使う時だと理解している事にも驚きました。子供は親が思っている以上に日々成長しているものですね。親バカですが、そんな成長を日々見られる事も大きな幸せです。

 

toyoritoire.jpg

設計の中村好文さんがカフェのトイレに設置してくださった手すりを始めて使用しましたが、なんて有り難いんだろうと感動いたしました。 

kafetoire1.jpgtoire.jpg







使用しない時はこのように壁に↑             使用する時に手すりを下ろします

スタッフ:木山