こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。
2011.06.20 入館者数10万人突破いたしました!
6月17日(金)、入館者数10万人を突破いたしました!
開館から4年1ヶ月と2日、みなみなさまのおかげでここまでまいりました。まことにありがとうございます。
10万人目のお客様は、新居浜市にお住まいの高橋かよ子様でした。なかなか取れない貴重なお休みを利用してお越しくださったそうです。お写真を撮らせていただいたりご感想を頂戴したりでお引き止めしたにもかかわらず、にこやかにご対応くださりありがとうございました。
お話を伺いながら、高橋様のように、たくさんのお客様が時にはご自身の経験と重ね合わせたりもしながら、いろいろなことを感じてくださっているんだろうな、と想像していました。当館のような施設はここで過ごしてくださる方々の思いで成り立っているんですね...まことにありがたいこと、平身低頭の思いがいたします。これからもどうぞよろしくお願いいたします。
さて、昨日は父の日、「父と子」展開催中の企画展示室で、伊丹万作の《櫻狩り》(町立久万美術館蔵)と解説文を熱心にご覧くださっているお客様をお見かけしました。
この《櫻狩り》は、万作さんの中学時代からの友人・宮内一乗さんが亡くなるまで大切に持っておられて、その後町立久万美術館の所蔵となったものです。万作さんが松山でおでん屋・瓢太郎の経営に失敗してから京都へ旅立つまでの間に描き、お世話をしてくれた宮内さんに贈ったものだそうです。伊丹十三さんはこの絵の存在を知らなかったようで、初めてご対面したのは久万美術館を家族で訪れた1994年、万作さんが亡くなった48年後のことでした。
久万美術館・前館長の松岡義太さんの回想によりますと、食い入るように《櫻狩り》を見つめていた伊丹さんは、画面の左端に描かれた女性の着物に潰したおでん屋の名前があるのを見つけて「ひや たろう おでん......。こういうことをするのは、まさしく私の父です」(『木の薫り 久万美術館』より)と語ったそうです。伊丹さんが父である万作さんをどのように捉えていたのかを伝える逸話として、解説文で紹介させていただいています。
そんなエピソードも含め、ぜひじっくりとご覧いただきたい《櫻狩り》、7月10日までの展示です。
写真上:館長からのメッセージパネルを掲げて満面の笑みを浮べるスタッフ・木山 。いい笑顔です!/ 写真中:10万人目のお客様・高橋様からお話を伺う中野。 / 写真下:現在の企画展示室の一角。一番右の絵が《櫻狩り》です。
<ちょっとおしらせ>
「父と子」展関連企画・伊丹万作名言集botをTwitterで開始いたしました!万作さんの味な名言の数々を1日3回お届けしています。
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