こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。
2011.03.07 ルール
記念館だよりをご覧のみなさまこんにちは!春が近づきウキウキしている木山です。こういう浮ついた時にミスなど起こしてしまいそうなので気をつけなくてはと思う今日この頃です。
社会のルール、学校のルール、町のルール、我が家のルール、私だけのルール等など、生きていれば様々なルールにしばられるわけですが、みなさんはきちんとルールを守っていますか?
私は学生の頃、あまりまじめに学校のルールを守れる生徒ではありませんでした。遅刻や欠席はほとんどなかったのですが、クラスマッチ中にこっそりカップラーメンを食べていて怒られたり、違うクラスでホームルームを受けていたり、授業中ガムを食べていたりと、困った生徒でした。
そんな私もめでたく社会人になり、更に厳しい社会のルールを目の当たりにするわけですが、今まで素直に守れなかった性格をそう簡単に直すことはできず、入社当初は先輩方に厳しく叱られる日々が続きました。
そうこうしている内に後輩が入り、教育する立場になった時初めてルールの大切さ、守らせる事の難しさに気づくのです。
ある時、私のいた部署にひとりの女の子がバイトに入ってきました。その子は髪を赤く染め、下から睨みつけるように私の事を見ていました。私はその子を会議室に呼び、明日までに髪の色を直してくるように伝えその日は帰らせる事にしました。すると、次の日彼女は赤かった髪の毛を今度は青に染めてきたのです。それを見た瞬間怒りよりもあきれて笑いがこみ上げてきました。
彼女は私が注意するとあからさまに睨みつけてきて、よく反発してきました。その度にくそぉ?!とムカつくのですが、出来の悪い子ほどかわいいとはよく言ったもので、私は彼女がかわいく、ほっておけませんでした。反発されてもしつこく叱り続けました。そんな日が続き、いつしか心を開いてくれるようになり、私が転勤で違う部署に変わる時には、絵の得意な彼女が似顔絵を書いてくれ、感動のメッセージが添えられた寄せ書きをプレゼントしてくれました。彼女のおかげで、私自身もたくさん勉強になり良い経験をさせてもらい感謝しています。
出会った頃は10代だった彼女も30代になり、現在は伊丹十三記念館を設計した中村好文さん設計の一六茶寮(一六本舗道後温泉本館前店2階)で働いております。こちらの店舗は当館の姉妹店のような存在で2階に伊丹十三記念館のミニギャラリーもございます。
松山へお越しの際はぜひこちらも見ていただきたいおすすめスポットです。一六茶寮から眺める道後温泉はとてもすばらしく、行く度に写真を撮ってしまいます。
ルールといえば、一般的な記念館や美術館などは基本、「手は触れないでください」などと表示がされているところが多いと思います。当館は逆で、抽斗を開けてみたり、くるくる回してみたり、めくってみたり能動的に行動を起こさないと見られない展示もあります。どんどん動かしてみて宝さがし感覚で楽しんでいただけたらと思います。
あと、スタッフのルールでトイレットペーパーは残りが3分の2ほどになったら交換するようにしています。これは、宮本館長のお客さまにトイレットペーパーの交換をさせてはならないという心遣いのルールです。
ちなみに我が家ではルールというほどではありませんが、「がんばろう」のかわりに「楽しもう」という言葉を使うようにしています。毎朝、保育園につくと「今日も一日楽しもうね!」とハイタッチをして送り出します。保育園からのおたよりを読んでいると、毎日とても楽しんでいるようです。これから、どんな壁にぶつかってもその壁を楽しみながら乗り越えられるようになってほしいです。
スタッフ:木山