こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。
2011.01.31 伊丹万作関連商品の発売が開始されました。
記念館だよりをご覧の皆さまこんにちは。
昨年12月より記念館にて開始された新しい企画展「父と子?伊丹十三が語る父・伊丹万作の人と芸術」は、ご来館の皆さまから大変ご好評を頂いております。それに伴いこの度新しくグッズショップにて伊丹万作関連の商品が発売開始されました。
「万作と草田男—『楽天』の絆」(2,000円税込)です。この本は、2008年秋に愛媛県上浮穴郡久万高原町の町立久万美術館にて開催された企画展の展覧会図録です。久万美術館の開館20周年を記念したこの企画展に出品された作品および資料データと図版を整理したものです。
「万作」とはもちろん伊丹万作、「草田男」とは松山出身の俳人中村草田男のことです。「『楽天』の絆」の楽天とは、旧制松山中学で伊丹万作はじめ中村草田男、伊藤大輔などが集まり作成した回覧雑誌のことです。この楽天のメンバーはお互いに親密な関係で結ばれていました。記念館の企画展示室にも中村草田男からの万作の夫人にあてた書簡などが展示されています。
その中でも中村草田男と記念館と言えば、常設展示室の中でもひときわ目を引く「野菜の絵」が挙げられます。この「野菜の絵」は伊丹十三が小学校一年生の時に描いた絵なのですが、大変上手に描かれていて、見る方はみなさん驚かれます。長年草田男のお宅で大切に保管されていたものであるそうです。
"伊丹万作の子供である伊丹十三の描いた絵を中村草田男が保管していた"—このあたりからも万作と草田男の関係の深さが感じ取れるようです。
更にその絵がどのような経緯で記念館の常設展示室に展示されることになったのか、といった点も草田男の三女でお茶の水女子大学教授でいらっしゃる中村弓子先生がこの図録の中で詳しく教えてくださっています。
ちなみに、私も2008年秋この企画展を観に久万美術館に伺いました。
その日は伊丹万作の監督作品「國士無双」(1932年)の上映が行なわれていました。ご年配の方が多かったのですが、主役の片岡千恵蔵が画面に現れた途端、みなさん「千恵蔵!」「千恵蔵!」と大盛り上がりでした。今観ても大変面白く、笑えて、片岡千恵蔵演じる主人公のトボケぶりに完全に引き込まれてしまいました。
書簡をみては仲間たちの友情に感動し、映画をみては笑い、と大変内容の濃い見ごたえのある素晴らしい企画展示でした。
この大変素晴らしい企画展示をお見逃しになった方!ご安心下さい!この図録には企画展の雰囲気がそのままぎっしり詰まっています!ハードカバーで、カラーページも多くとても品質の良い本です。
万作の油彩画をはじめ、挿絵、映画資料、草田男の俳句、書簡など、実にさまざまな資料が載っています。ちなみに伊丹十三も生前大変気に入っていたという伊丹万作の油彩画『櫻狩り』(久万美術館所蔵)もカラーページで掲載されています。
記念館ショップとオンラインショップにて取り扱っています。いかがでしょうか。
※『万作と草田男—「楽天」の絆』をご購入希望の方は こちら
※町立久万美術館のHPは こちら
スタッフ:川又
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