こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。
2011.01.24 ある晴れた日に
こんにちは、今年初めての記念館だよりの出番が回ってまいりました多胡です。
改めましてみなさま明けましておめでとうございます。
さて先週のお天気のいいある日、記念館の建物を設計なさった建築家の中村好文さんがご来館下さいました。お仕事で四国へお越しになったそうでその足で新しい企画展「父と子--伊丹十三が語る父・伊丹万作の人と仕事--」を観に来てくださいました。お天気はよいけれどもまだまだ冷え込みは厳しい日でしたので黒のダッフルコートに黒いズボン、深いオレンジ色のマフラーを巻いておみえになりました。お忙しい中のご来館にもかかわらず企画展をじっくりご覧になり受付ロビーに出てこられにっこり。「万作展ね、よかったヨ」とおっしゃいました。「中村さん、お写真を!」と申し上げましたら「いやぁ、はずかしいからサ」とおっしゃいました。企画展を観に来てくださっているのですものね、改めて「そりゃそうだ」と思いました。
記念館HPや記念館だよりを初めてご覧になる方にちょっとご紹介すると中村好文さんは普段は東京で住宅設計のお仕事をしておられ20代の頃から伊丹エッセイの熱烈なファンで、ご自身が造られた"イタミスト"という言葉でその心意気を表現していらっしゃいます。
ここ伊丹十三記念館は「ご来館くださったお客さまが『伊丹さんの家』に遊びに来たみたい!と感じてもらいたい」という宮本館長の強い願いをもとに建てられています。わたくしたちスタッフも足を運んでいただいたお客さまに楽しい時間を過ごしていただけるようあたたかい心もちでお迎えするよう日々工夫して仕事しているところです。そして日々仕事をしつつ過ごしていて私が感じるのはこの建物がここで過ごす人のことを考え建てられている、設計した人の心遣いが随所に感じられるということです。でもそれは声高ではなく「こういう器をつくったからネ、あなたたち ここからは自由に工夫して居ごごちよくおやりなさいよ」というふわ?っとあたたかく取り巻くメッセージと言いますか、そういうものを感じます。
例えばカフェにある厨房スペースやグッズの在庫収納スペース、事務に使っている机や戸棚、外観からも見える4つのちいさな窓など・・・日々仕事してゆくのに必要なところに必要なものが丁度いいところにあるという具合です。
ここに居ると日々「こんな風に過ごしたい」という思いを持って日々暮らすこととかその過ごす場所や環境(取り巻く人やもの)がとても大切であることを改めて感じます。これは長い時間暮らしてゆく「家」にも通じるものかもしれませんね。
今年も健康で楽しく仕事にプライベートにと1日1日大切に過ごしたいと思っています。みなさま、どうぞよろしくお願い申し上げます。
ほぼ日刊イトイ新聞の中に、中村好文さんが糸井重里さんと記念館を歩く記事があります。少し長いですがとても面白いので初めての方はこちらも是非ご覧になってみてくださいね。
http://www.1101.com/itami/nakamura/index.html
写真は上:記念館グッズ売り場にある陳列棚の収納引き出しを開いたところ。下:カフェ厨房。
担当:多胡
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