こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。
2010.11.01 ケシカラン私の実感
先日、住民税第三期分を納めに市役所へ。
え?「わざわざ市役所へ行かなくったって、近所の銀行で納付できるよ。引き落としもあるし」?
ええ、そう、そうなんですが、「自分がどこにいくら払っているのか」という実感を持つのは大事なことのような気がするので、私は「どうせだったら役所に行く派」なんです。せっかく直接税を納めるんだから直接納めてるっていう実感が欲しいと思いません?あ、私だけですか。(まぁ、単に銀行の営業時間に出かけるのが面倒くさい、なんてなズボラな理由もありつつ、ですが。)
ところで、納付の前に銀行で出金した際、多めにおろしたつもりだったんですが、その、何といいますか...思ったよりも額が...といいますか、支払の用紙にある金額をちゃんと見ていなかったんですね、窓口で用紙を取り出して「え?ここここんなに?ててて手持ちで足りないかも!」とアセってしまいました。
そんなこんなで「思ったよりも税金高い」という当初の目的とは違う実感まで得てしまった第三期でした。(ちゃんと用紙を見なさい、用紙を。)
そういう気持で『マルサの女』のポスターを眺めますと
自分が払うのはイヤだ、しかし人がとられるのは
気持ちいい—というケシカランあなたへ。
いやぁ、いいコピーですねぇ、しみますねぇ。
『マルサの女』が公開された1987年は私は小学生でしたから、このコピーを見たとしても、面白いと感じはしたでしょうが、本当には分かっていませんでした。いやぁ、大人になってみるもんですねぇ。
もちろん、『マルサの女』と『マルサの女2』は、脱税をつきとめてガッツリ取り立てるのが痛快なだけのお話ではなく、取る側の、取られる側の、そして両者の間のドラマが描かれているのが面白い映画であります。この秋は、国税関係のドラマが2本放送されているので、その辺をどうブレンドして描いているのかが楽しみです。
そして...映画の構想・シナリオ執筆・撮影・美術・編集・宣伝・公開、と伊丹さんの映画作りを微に入り細に入りご紹介しております「メイキング・オブ『マルサの女』」展は12月6日(月)で終了です!
『お葬式』の大ヒットで高額納税を経験した伊丹さんが「取られる側」ではなく「取る側」を主人公にした映画を構想したのはなぜなのか—、などなど、映画誕生の秘密に思わずうなる企画展、残すところ1ヵ月です。ぜひご覧くださいませ。
学芸員 中野
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