こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。
2010.09.13 最後の愛車「ベントレー」
記念館だよりをご覧のみなさまこんにちは。
9月とはいえまだまだ暑い日が続きますがいかがお過ごしでしょうか。
さて突然ですが記念館の外観写真をご覧下さい。左端に小屋があるのがおわかりになりますか?
あの小屋はガレージなのですが、中には伊丹十三が最後に乗っていた愛車「ベントレー」という車が展示されています。
ちなみに小屋にあります「8」という数字は、伊丹十三は様々な仕事や趣味に通じており、それらを十三の名前にかけて「13個」もの顔があったということで記念館ではご紹介しており、それらの中の1つに「乗り物」に興味のあった「乗り物マニア」という一面がありまして8つ目の顔としてご紹介しています。その「8」ということです。
この「8」は記念館の側を通っている「国道33号線」からもよく見えます。
「何で8なんですか??」という質問は記念館でお受けする質問のトップ20に入ります。
確かに道路を走っていて「8」と書かれてある小屋が目に入ったら「??」と思いますね。
さて、このベントレー、ご存じの方も多いかと思いますがイギリスの高級車であります。
今ではドイツの「フォルクスワーゲングループ」の傘下にあるそうです。
調べてみますとイギリスのエリザベス女王の公務専用車としても使用されているそうです!
あの白洲次郎さんも愛用されていたことで有名なのだそうで、お客様の中にも「ベントレーといったら白洲次郎だよねえ」とおっしゃる方が時折いらっしゃいます。
伊丹十三の乗っていたこのベントレーも大変高価なものだったそうです。
どれほど高いかといいますと、松山市内では一等地の立派な新築マンションが買えます。
排気量は6,740cc!!
伊丹十三がこの車を購入する際には妻である館長・宮本信子に「人生最後の車だからこれを買いたい!!いいですか??」とお伺いをたてたそうです。
館長は「いいんじゃないんですか??どうぞ?お買い下さい?」と答えたそうです。
伊丹十三ほど成功していた男性でも高額の買い物をする時には奥さんにお伺いをたてるとは、伊丹十三の家庭的なところを垣間見たといいますか好感の持てる話ですよね。
このベントレーはオープンカーなのですがお客様がおっしゃっていて「なるほどなあ」と思ったことの一つに、「高い買い物なのに屋根のない車を買うところが伊丹十三だねえ」ということがあります。
大きな買い物をする時にも余裕の遊び心がある、そのあたりがまた伊丹十三らしいところで、真似のできないカッコいいところだなあと思います。
スタッフ:川又