記念館便り ― 記念館からみなさまへ

記念館便り

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。

2010.03.29 桜が咲き始めました。

咲き始めの桜2.JPG

ぽつぽつ桜がほころび始めました。こんにちは。今年の松山の桜は統計を取り始めてから最も早い開花なのだそうです。少しずつ春が近づいてきていますね。春休みになったからか、記念館にも一人旅の方や大きなかばんを持ったお客様がいらっしゃることが多くなりました。暖かくなってくると、どこかに出かけたくなりませんか。これからの時期はお花見なんかも楽しみな季節となりますね。

 毎年いろんな場所で桜を眺めますが、心に残るお花見をひとつ挙げるとすれば、学生時代に足繁く通った奈良の春でしょうか。私は学生の時分 大阪の南の方に下宿していましたので、最寄り駅から電車に乗り、乗り換えのりかえ最後はJRの関西本線で奈良駅へ、というのがいつもの道順でした。奈良はもともとのんびりとした空気の流れる町ですが、春ともなると訪れる私たちの心も体も、暖かさに誘われてゆったりしているのか、なんともいえず心地よい気分になったものです。その春は、お釈迦様の誕生日を祝う潅仏会(かんぶつえ。4月8日で"花まつり"ともいうそうですね。)の日に奈良を訪れました。奈良駅からぶらぶら歩いて興福寺や大仏殿のある奈良公園までの道すがら、何の気なしに氷室神社に立ち寄った時のことです。ちょうど枝垂桜が満開でその日は曇り空ではありましたが、古木にけむったように長く連なって咲く桜に息をのみました。

 旅といえば伊丹さんは、今も続くテレビの旅番組「遠くへ行きたい」にたくさん出演しました。(その出演回数は43回!)昭和49年の4月には「奈良・お習字の旅」と題して書家の今井凌雪先生のもとに習字稽古に赴いています。レタリングには自信のあった伊丹さんですが、お習字となると勝手が違うようでちょっと面白い旅になっていますよ。この旅の模様は、当館で販売しておりますDVD「13の顔を持つ男」でも一部ご覧いただけますし、「伊丹十三の本」の中にも紹介されていますので是非ご覧下さいね。

スタッフ:多胡 

写真:通勤途中の桜の木。まだちょっと寒そうですね。