こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。
2010.03.22 桂の木
中庭にそびえ立つ桂の木は、季節、天候、時間により様々な表情を見せてくれます。
先日は3月だというのに松山ではめずらしく雪が降りました。雪 の舞い散る中庭はめったに見る事ができませんが、外は寒いのになんだかあったかい気持ちになる不思議な感覚でした。
この桂の木は1本の木なのに2本が寄り添っているように見え、設計の中村好文さんが、伊丹さんと宮本さんをイメージして選ばれた木です。
葉はハート型をしていて、秋には甘い香りを放ち、寒い冬も凛とたたずむ桂の木はお二人のイメージにピッタリだと思います。
先日、お客様に「どの季節の桂が一番いいですか?」と聞かれたのですが、即答できないほど、どの季節もすべて味があり素敵なのです。
ちょうど、今の季節は芽吹きはじめ、小さなハート型の葉が少しづつ大きくなって春を知らせてくれています。日に日に大きくなっていく葉を見るたび、生きてるんだ?と実感し、明るい気分にさせてくれます。
このすべての葉が大きくなり青々とした新緑の季節は、さわやかな風と相性が良く、中庭のベンチで何時間でも座って見ていたい気分になります。
秋になるとだんだん葉は黄色くなっていき、その後こげたような色になっていきます。その時、何とも言えない甘い香りが漂い幸せな気分になります。お客様にも、「ケーキでも焼いているのですか?」と言われるほど、中庭は甘い香りに包まれます。
そして、葉はすべて落ちていきます。寒々しく感じる風貌ですが、なにか強さを感じられ、がんばろうという気にさせてくれます。
お客様からも、「こんなすてきなお庭を見ながら、お仕事できていいですね」とよく言っていただきますが、今も桂の木を見ながらその幸せを実感しているところです。この木と共に私自身も日々成長していけたらなと思う今日この頃です。
スタッフ:木山
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