記念館便り ― 記念館からみなさまへ

記念館便り

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。

2008.09.10 カメレオン男?

20080910a.jpg 本を読んだり、絵や映画を見たり、音楽を聴いたりするとき、こころがつよく揺さぶられることってありますよね。そうすると、これを作った人ってどんな人なんだろう? という思いがむくむく湧いてくることってありませんか。
 私の場合、そんな時、同じ人が作った作品を順繰りに読んで(観て)いったり、作者について書かれた記事や本を読んだり、テレビを見たりすることがあります。楽しい連鎖は宝探しのようにぐるぐると続いてゆきます。。。
 さて、9月のNHK「知るを楽しむ 私のこだわり人物伝」は、伊丹さんが取り上げられています。
 題して『伊丹十三 カメレオン男のトリック』。
 4週にわたり、4名の方がそれぞれ伊丹さんとの思い出や、人となりをお話しするという番組です。
 第1週目は、作家の村松友視さん(9/2(火)放送済) が出演なさっていました。
 つづく2週目は、写真家の浅井愼平さん(放送日は、9/16(火)PM8:00?)、3週目は、イラストレーターの南伸坊さん(9/23(火)PM10:25?)、4週目は、映画評論家の白井佳夫さん(9/30(火)PM10:25?)が登場予定です。
 記念館にいて感じるのは、伊丹十三のしてきた仕事の、それぞれの人への「影響力」です。
 影響を受けたという人にたくさんお会いしました。記念館の設計をなさった「イタミスト」の中村好文さんをはじめ、「若い頃、伊丹さんのエッセイ次々と読んだんです」とおっしゃる姿が印象に残った、今は海外在住ではるばるご来館くださったお客様。当館のミュージアムショップに並ぶ伊丹さんの著書の背表紙を撫でながら「なつかしい! これも読んだな。これも持ってた、そうそうコレも」と古くからの友人に再会したかのように顔をほころばせておられるお客様を、もう何人も目撃しています。
 70歳代くらいの方ですと俳優の伊丹一三を。(のちに十三と改名)60?50歳代の方だとエッセイストのイタミさん。40?30歳くらいの方だと、映画監督としての伊丹十三を熱心に、またはなつかしんでお話くださいます。
 伊丹十三という一人の人の人生なのに、いくつもの仕事をしてきていて、その仕事毎に異なる顔で人々の心に強くひっかかっているのですね。
 「カメレオン男のトリック」是非、皆さんもご覧ください。
 そして、番組をみて記念館を訪れると楽しみもひとしおですよ!


スタッフ:多胡