記念館便り ― 記念館からみなさまへ

記念館便り

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。

2008.02.08 新人スタッフのおすすめ

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 はじめまして。2月より伊丹十三記念館のスタッフに加わりました中野と申します。ただ今鋭意修行中、1日も早く皆様をしっかりご案内できるように努めて参りますので、どうぞよろしくお願いいたします。
 さて、今回は新人スタッフ・中野のおすすめをひとつ。
 当館の常設展示室にはいくつかの抽斗(ひきだし)があり、イラスト原画や原稿、伊丹十三愛用の食器、文具、衣服などが収められています。それぞれの展示コーナーに合うように、建築家の中村好文さんが工夫を凝らしてデザインしてくださったものです。少しだけ引いてあったり、閉じてあったりのこれらの抽斗に、お客様は「?」とお思いになるかもしれませんが、ご遠慮なく引き出してご覧くださいね。

 


 

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 私が初めて入館者として訪れたときも、「見えそうで見えないな、何だろう何だろう」と腰をかがめて隙間から覗き込んでいたら、展示室のスタッフに「そちら、開けてご覧いただいていいんですよ?」と言われ、「え!『開ける』...?触っていいんですか?!?」と驚いたものでした。現在は、体験型ミュージアムや触れることのできる展示も増えてきているとはいえ、観る側としては「展示には触れないもの」という意識もまだまだ強くありますから、いいとは言われても、何だか妙に緊張しながらイラスト原画の抽斗の手掛けを引いてみました。すると...あのエッセイの中のあのイラストたちが「やぁ!」と現れるんですねぇ。(どのイラストかは観てのお楽しみです。)ペンのかすれや細かな修正など、印刷された本では分からない細部までつぶさに観ることができ、伊丹十三の仕事に出会った、伊丹十三その人に出会った、という気持ちになりました。
 これからいらっしゃるお客様にも、ドキドキしながら抽斗を開いて、伊丹十三の息づかいをじっくりと感じていただきたいと思います。楽しくて刺激的なひとときをどうぞお過ごしください。

学芸員:中野