記念館便り ― 記念館からみなさまへ

記念館便り

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。

2007.10.28 第一回主催イベント「『お葬式』上映とティーチイン」を行いました

20071028a.jpg 伊丹十三の映画は「面白い!」と思います。これは身贔屓になってしまいますけれど、私は現在の仕事に就く前から、伊丹映画を好きで見ていました。身近でありつつも意外な題材(葬儀の顛末『お葬式』、ラーメン『タンポポ』、税金『マルサの女』など)を取り上げ、分かりやすく、時にシニカルに、ユーモアを込めて描き出してくれます。
 そんな伊丹映画を見れば見るほど、「あの場面はどうやって撮影したのだろう?」「このシーンの狙いは何かな?」などと、より踏み込んで作品について知りたくなります。今回のイベントは、伊丹映画のスタッフをゲストに招き、『お葬式』を上映した後に映画作りの現場を語ってもらおうと言う企図から生まれました。
 ゲストの前田米造さんは伊丹作品10本のうち8本で撮影監督を務めています。玉置泰さんは伊丹作品10本すべてのプロデューサーです。伊丹十三の映画作りを知り尽くしている方々です。トークでは、『お葬式』が取られるまでの経緯、印象的だった伊丹監督の演出シーンなど関係者ならではエピソードをたくさんお話頂きました。
 「ティーチイン」というイベントの面白さは、トークだけでなくご来場のお客様がゲストに直接質問できるところにあります。質疑応答の際には、会場から多くの質問が前田さん、玉置さんに寄せられました。お二人の話に触発されたせいか、質問も専門的なものが多く、『お葬式』のスクリーンサイズに関する伊丹監督のこだわりや、特撮の方法など、まさに「映画作りの舞台裏」を垣間見ることが出来る内容だったと思います。
 第一回主催事業と言うことで、スタッフは緊張して臨みました。大きなトラブルもなくイベントを終えられたことに、今は安堵の胸を撫で下ろしています。イベントにご協力いただいた皆様、そして当日ご来場いただいた皆様、本当にありがとうございました。

学芸員:浅利