

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。
2022.10.31 今年の秋の伊丹十三記念館の様子とほぼ日手帳
明日からはいよいよ11月です。
伊丹十三記念館のシンボルツリーの桂も少しずつ黄葉して参りました。桂は色づくと甘いキャラメルのような香りを放ちます。香りの成分の元は、葉に含まれるマルトールという物質で、これは食品添加物にも使われることがあるそうです。
新緑の頃も綺麗ですが、この時期の桂も見応えがあります。
外回りのヤマザクラは落葉もはじまりました。
先週、ガレージに展示している伊丹十三の最後の愛車・ベントレーの洗車を行いました。ご覧の通り綺麗になりました。
そんな秋の伊丹十三記念館です。
さて、ここのところ売店では、「ほぼ日手帳」をお手に取りご覧になる方も増えてきた様子です。9月の発売開始の際は「まだ来年のものを買うのはちょっと早いかな、、、」という雰囲気もありましたが、今年も残すところあと2か月。気に入ったカレンダーや手帳は早めに入手しておかなければ品切れになってしまうかもしれません。気になる方はどうぞお早めに。ご来館の際は売店にて是非お手に取ってご覧ください。
スタッフ:川又
2022.10.24 記念館スタッフ vs ルート検索!
朝の日だまりと帰り道の夕風が心地よい季節になりました。
全国旅行支援を利用して、土地土地の秋の風情をお楽しみの方もいらっしゃることでしょう。
通勤の自転車を漕ぐ時、背中に感じる
朝日の温もりがなんとも嬉しいこと!
秋といえば、落ち葉の季節でもあります...
嗚呼、掃いても掃いても...
えー、前回、「お客様との会話が勉強の機会になることが多々ある」というお話をさせていただきました。
が、そもそもがおしゃべり好きなもので、どんな話題であろうと、話しかけていただければ単純に嬉しい! そんな気持ちもございます。
しかし、この数年、お客様と言葉を交わす機会が激減しているような気がいたします。
新型コロナへの用心、というのが、今は第一の理由でしょうが、スマートフォンの普及や、便利なwebサイト・アプリの登場も、少なからず影響しているのではないかな、とも推察されます。ご時世ですね。
たとえば、そろそろ館を出ようとしているらしいお客様が、ロビーの椅子に腰かけて、スマホの画面とにらめっこしている、そんなお姿をよくお見かけするようになりました。
おそらく...交通手段をお調べなのではないかしら...土地勘のない旅先だと最適なルートを調べ当てるのって結構難しいのよね...
以前だったら「街のほうに行くバスの停留所はどこですか?」「JR松山駅への交通手段はありますか?」など、ご質問いただいているはずの場面...だった、ような...ムズムズ。
ま、わたくし、厚かましく生まれついておりますので、自分のほうから「ここからの交通手段をお探しでしたら、お手伝いしましょうか~? 次の目的地はどちらですか~?」と話しかけてしまうのですが。
「施設の人と話すなんて恥ずかしい」「面倒くさいからそっとしといて」と感じる方も中にはいらっしゃる、そのお気持ちも、分かります。(実のところ、私も外に出ると恥ずかしがりなもので...あれ? "おしゃべり好きで厚かましい恥ずかしがり屋"って、どういうことでしょう(笑))
でもね、土地勘のある人に聞いたほうが絶対に得なんです!
"Google先生"でもご存知ない道や、移動手段を住民は知っているのですから!
たとえばこれ、「伊丹十三記念館」と伊予鉄道の郊外電車・横河原線「いよ立花駅」との徒歩経路の検索結果なんですが...
↓
記念館の近くに「天山橋(あまやまばし)」停留所があり
伊予鉄バス(15分に1本/15・18番線)のご利用をお勧めしているので
いよ立花駅をご利用される方はそう多くない、とは思います、ハイ。
見た瞬間に「ナンジャコリャ!?」とのけぞりました。なぜかというと......
黒枠のところは「天山交差点」と言います。
北西の角にあるイオンスタイル松山店が目印です。
検索結果の経路が避けている「天山交差点」(上図の黒い囲み部分)、この交差点の下には地下道があって、そこを通れば、いよ立花駅と記念館はほぼ一直線、所要時間は15分弱ぐらいだからです。
(※1)地上の横断歩道は自転車専用です。
(※2)地下道との昇降は階段のみなので、車椅子の方や重いカートをお持ちの方には、検索結果通りのルートをお勧めします。
というわけで、ご来館くださるだけで大大大感謝なのでありますが、せっかくお出かけくださったからには、ぜひスタッフにお気軽にお声がけくださいね。
展示に関するご質問・ご感想も、喜んでお伺いいたします。
などなど考えていた最近のこと。
お客様から「ここの人たちはみんな、事務的な感じがなくて話しかけやすいのもイイですね」とのお言葉をいただきました。思いがけないポイントで高評価をいただいて、本当に、心から嬉しくて感激したことでした。
そんなわたくしの"来館者"としての経験談を最後に少々。
ある年の瀬、帰省のついでに郷里の某施設を訪ねた折――
そろそろ退館しようかと思い、受付の方に「そこのバス停の時刻表、あります?」と質問してみましたら、「あ、そういうのはないんです」とサラっと言われ、雪降り積もる北国の停留所に延々たたずみ続けることになり......自分で念入りに調べておくのが必要な場合もありますネ......悔恨の涙でツララをこさえたのでありました。
学芸員:中野
2022.10.13 こだわりの壁
朝晩と冷え込む日が増え、秋が深まっているのを感じますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
中庭の桂も少しずつ色づいてきました。葉から少し甘い香りがしております。
記念館にある多くの広報資料を整理する中で、建築についての特集を読む機会がございました。中村好文先生が設計をしてくださった記念館には、たくさんのこだわりが詰まっているのだとあらためて知ることとなりました。印象的な外観や、車庫、中庭などの他に、常設展示室の中にも手まわし式の閲覧台や引き出しなどの遊び心も感じられます。この常設展示室の中にもいくつかこだわりがあるのですが、今回はその中の一つである壁についてご紹介させていただきます
常設展示室は十三の名にちなみ、13のコーナーに分かれております。伊丹さんの仕事や人となりを知ることが出来る各コーナーの壁は、見比べてみると違う素材が使用されています。それぞれのテーマに沿った材質の壁と展示品との繋がりを見つけたとき、より一層この記念館が楽しめるものになっています。
皆様にはご来館の際に見つけて楽しんでいただきたいので、本日は13のコーナーの中から4つだけご紹介させていただきます。
まずご紹介するのは、七 料理通の壁です。こちらはキッチンを思わせる白いタイルとなっております。
展示をよく見てみると、伊丹さんの写真のキッチンの壁も白いタイルです。
こぼれ話にはなりますが、記念館の中にはもう1カ所、白いタイルを使った壁がございます。それがカフェの中のキッチンの壁です。ぜひ、七 料理通のコーナーの壁と見比べてみてください。
つぎに、八 乗り物マニアの壁は、かつての愛車ロータス・エランに合わせた車体塗装です。
『ヨーロッパ退屈日記』や『女たちよ!』にも登場する赤のロータス・エランは、伊丹さんの車遍歴の中でも印象深い車ではないでしょうか。残念ながらロータス・エランの実物はございませんが、この赤く塗装された壁を見ていると、伊丹さんの愛車に出会えたような気持ちになります。
伊丹さんの詳しい車遍歴につきましては、実は車庫にあるガラスの壁面に書かれております。
ベントレーを正面に見て、右側の壁の近く、手すりの少し下あたり。
このあたりに詳細がございますので、ぜひご来館の際にお確かめください。
十一 精神分析の壁は大理石でできており、そこには左右対称の模様が描かれております。
こちらの模様はロールシャッハテストを暗示しているそうです。ロールシャッハテストとは性格検査のひとつで、インクを垂らした模様が何に見えるかを述べ、その言語表現を分析することによって思考過程などを推定するのだとか。皆様はこの模様、何に見えますでしょうか。
ちなみに、ガラスには転写された生原稿もございます。
そして十三 映画監督には伊丹映画のフィルムが貼りこまれております。
至近距離で見ていただくと映画で観たあのシーンが...。
ひとつひとつじっくりご覧いただけましたら幸いです。
さて、ここまでいくつかのコーナーの壁についてご紹介させていただきました。ご来館の際には壁にも注目していただき、展示品との関係を探しながらご覧いただければ幸いです。
この度ご紹介させていただきました各コーナーの壁のお話は、2007年7月1日発売の『芸術新潮』、同年9月1日発売の『新建築』の特集に詳しく掲載されております。残念ながら雑誌の販売はしておりませんが、カフェ内にあるファイルに特集のページをまとめておりますので、他にも記念館のこだわりが気になる!という方はぜひお手に取ってご覧ください。
スタッフ:橘
2022.10.10 タンポポコーヒー
記念館便りをご覧の皆さま、こんにちは。
気温差のある日が続いています。体調を崩されませんよう、日々ご自愛くださいね。
さて暑さが和らいできた影響で、9月の終わり頃から、カフェ・タンポポではホットメニューのオーダーがじわじわ増えてきました。
そんなホットメニューのうち、定番中の定番・ホットコーヒーに次いで最近よくご注文いただくのが「タンポポコーヒー」なのですが、お客様の中には「タンポポコーヒーは初めて」という方も多くいらっしゃいます。「どんな飲み物ですか?」とよくお尋ねがありますので、少しご紹介しますね。
タンポポコーヒーはポーランドを発祥とし、その昔、当時大変貴重で高価だったコーヒーの代わりになる飲み物として、乾燥したタンポポの根っこを焙煎して作られたのがはじまりだそうです。
"コーヒー"という名前の通り、コーヒー豆を焙煎して作られるコーヒーと、見た目はそっくり!コーヒーと同じく、深みのある色です。
タンポポコーヒー
(ホットコーヒーと同時にご注文いただいた時は、
お客様に間違えてお出ししないよう気を付けています...)
別名タンポポ茶ともいわれ、実際にお飲みいただくと、コーヒー風味ではあるもののコーヒーとはまた少し違った、香ばしいお茶のようなかおりや味を楽しんでいただけると思います。
ちなみにお飲みになったお客様からは「コーヒーよりすっきりとした飲み口です」「くせがなくて飲みやすい」「まろやかな甘みがあります」といったお声をいただいています。
通常のコーヒーとの違いはノンカフェインであることです。カフェインを控えておられる方も安心してお飲みいただけます。また、体を温める効果がありますので、冷え性の方などにもおすすめです。
飲んだことがないという方は、カフェタンポポで挑戦してみくださいね。
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<記念館よりお知らせ>
伊丹十三記念館で伊丹監督映画作品を観る「毎月十三日の十三時は記念館で伊丹十三の映画を観よう!」。10月13日(木)はミンボー(民事介入暴力)専門の女性弁護士の活躍を描いた『ミンボーの女』(1992年)を上映予定です。
ご鑑賞が始めての方もそうでない方も、ご興味のある方はぜひ!
ご来館をお待ちしております。
スタッフ:山岡
2022.10.03 ほぼ日手帳
先月の記念館便りでもお知らせしましたが、伊丹十三の描いたイラストでデザインされた「ほぼ日手帳weeks『mon oncle(モノンクル)』」の販売が開始されて1ヶ月が経過しました。
伊丹十三記念館のショップでも好評をいただいており、先日追加発注をいたしました。
事前にどのような手帳になるかというのはある程度知ってはいたのですが、実際に初めて手帳を見た際にはあまりに素敵な出来上がりに驚きました。
何度か記念館便りにも書いたことがありますが、記念館では長年ほぼ日手帳を愛用しており、何よりほぼ日手帳のファンである我々記念館スタッフとしては「伊丹さんのイラストでデザインされたほぼ日手帳ができる」という話を耳にした時点から完成を大変楽しみにしていました。そんな期待値をはるかに超えてくるほぼ日のみなさんのお仕事に本当に感動しています。
背表紙も
裏表紙もお洒落です
ショップに見本を置いていますのでご来館の際には是非お手に取ってご覧ください。間違いなく欲しくなってしまうと思います。
もちろん、ほぼ日のサイトでも販売されています。
記念館へのご来館が難しい方は是非こちらから。
https://www.1101.com/store/techo/ja/2023/pc/detail_cover/wb23_itami/
weeksもほぼ日手帳オリジナルと同じ薄くて丈夫な紙「トモエリバー」が使われています
スタッフ:川又

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