記念館便り ― 記念館からみなさまへ

記念館便り

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。

2022.01.31 シンボルツリー桂のビフォー・アフター


伊丹十三記念館のシンボルツリーは桂の木です。

記念館のオープンが2007年5月。
桂を植え付けたのはオープンの数か月前の2007年の1月か2月ごろ、まさに今頃の時期だったようです。

先日、探しものをしていた際に植えられたばかりの桂の画像を見つけました。

オープン前、2007年2月の桂。回廊の角から。


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そして・・・それからちょうど15年が経過した、現在2022年1月末の桂。同じ場所から。



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左右に並べてみました。


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こう見るとかなり成長しています。

そしてもう一枚。オープン前、2007年2月の桂。2階事務所から。

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そして・・・現在2022年1月末の桂。こちらも同じ2階事務所から。


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再度並べてみました。


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やっぱり大きくなっています。

毎日眺めているとわかりづらいものですが、こうして比較してみると結構成長していますね。

来週にはこの桂含め、庭の植木のすべてに「寒肥」をする予定です。
寒い時期に土に有機肥料を施すことで、春、新芽を吹くころに土に栄養がいきわたり、結果、木にとって良い、というようなことらしいです。

最後に、オープン2日前、2007年5月13日の桂です。


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この桂は長野県からやってきたと聞きましたが、今にして思うと、長距離移動や大きな環境の変化があったにもかかわらず美しく芽吹いていますね。

という訳で本日はシンボルツリーの桂の木の成長をご紹介させていただきました。

寒肥が効いて春にまた美しく芽吹くころ、記念館便りにて様子をお伝えいたします。お楽しみに!


スタッフ 川又

2022.01.24 観返し・読み返し

記念館便りをご覧の皆さま、こんにちは。

寒い日が続きますね。そんな中、記念館前を流れる川の土手には、菜の花が咲きはじめました。寒さに強い菜の花ならではです。色彩豊かとは言い難い時期ですので、明るい黄色が視界に入ると少しうれしくなります。

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さて、記念館にお越しくださるお客様の中には伊丹さんの映画を観たり著書を読んだりしたことのある方が多くいらっしゃるのですが、つい先日、「数十年ぶりに伊丹さんのエッセイを読み返したばかり」という方が来館されました。

はじめて読んだのは学生の頃だそう。当時も今回も楽しく読まれたそうなのですが、前回と今回とでは読後感がちょっと違っていたそうです。

例えば、下記に引用するような、車の運転や乗り物に関するエッセイを読み直して――

 

さて、いまさら申し上げることもあるまいが、自動車というものは危険物でもあります。これを扱うに当って、男たるもの、どんなに自分自身に厳しくあろうとも、厳しすぎるということはない。いわんや、いいかげんな気紛れや、でたらめは許せないのであります。
たとえば、運転のさいの履物一つにしても、最も運転しやすい、正しい履物を選ぶべきである。底革の滑りやすい靴や、脱げやすい草履で運転することは断じて許せないのであります。
これがすなわち「自動車の運転におけるヒューマニズム」というものである。
そうして、われわれは、巧みに運転する前に、品格と節度のある運転を志そうではないか。
交差点で自分の前が右折車なんかで塞がれると、すぐに隣の列へ割り込もうとする人がある。というよりもむしろ日本人の九十九パーセントまでが左様である。
思うに車の運転とは、自分自身との絶え間のない闘いであります。人に迷惑をかけてはならぬ、ということは誰でも知っている。知っていながら割り込むというのは、これはすなわち自制心の欠如というものである。
隣の列がどんどん流れてゆくと、もう矢も楯もたまらない。なんだか莫大に損をしているような気になってくる、つまりその瞬間なのだ、運転者の品性が決定するのは。こういう時に、甘んじてその場に踏みとどまっていられるだけの、強い意志の力と、人間としての品位を持つか持たないか。これが、よい運転者と悪い運転者との永遠の別れ道となるのである。

「スポーツ・カーの正しい運転法」『女たちよ!』(新潮文庫)より

自分で運転したことがなかった学生の頃と違って、実体験を伴って読むと、共感したり考えさせられたりした事柄が多かったのだとか。
また、数年前にヨーロッパ旅行に行ったあとに『ヨーロッパ退屈日記』を読み返したときも、初読の時とはまた違う面白さがあったそうです。
他にも、「子育て中やそれがひと段落した後で、伊丹さんの子育てや教育に関するエッセイ再読すると、改めて読み応えを感じます」と仰る別のお客様もいらっしゃいました。

だいぶ前に伊丹さんの映画や著書に触れた方は、その後いろいろ経験されたり立場や環境が変わったりしていると思いますので、観返してみる、読み返してみると、前とは違った印象を受けて面白いかもしれませんね。ご興味のある方はぜひお試しください。



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伊丹さんの著書

スタッフ:山岡

2022.01.17 伊丹十三記念館でできる防寒対策



最近ネットニュースで見かけた記事の話なのですが、とあるテレビ番組でアルピニストの野口健さんが共演者から防寒対策のコツを聞かれた際に、「しょうが湯を飲むこと」とお答えになられたそうです。


(他には「インナーにお金をかけること」ということなどもお答えになられたそうです。)


しょうが湯といえば伊丹十三記念館のカフェ・タンポポでも提供している人気メニューです。


「しょうがはからだを温める」とか、正直これまでに何度も聞いてきましたし、記念館便りでもスタッフの誰かしらが毎年この季節にそのようなことを書いているような気がしますが、プラシーボ効果的な側面もあるのでしょうか。
野口健さんに言われると説得力が急に増し、そのネットニュースを読んで以降、しょうが湯を飲む度、よりからだが温まる気がします。


カフェ・タンポポのしょうが湯は自家製です。
飲むと自分が記憶していた以上に美味しくて驚きます。

ただ甘いだけでなく、ピリッとするところがいいんですよね。

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ご来館の際は、カフェ・タンポポにお立ち寄りいただき、是非しょうが湯で温まっていってください。


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【画像:カフェ・タンポポの人気メニュー。
しょうが湯と十三饅頭のセット(税込500円)】





スタッフ:川又

2022.01.10 『ハシゴの上のごちそう about タンポポ』

記念館便りをご覧の皆さま、遅ればせながら、新年明けましておめでとうございます。
本年も、伊丹十三記念館をよろしくお願い申し上げます。

★宮本館長の新年の挨拶もぜひご覧ください。
 https://itami-kinenkan.jp/tayori/2022/01/005082.html

さて、皆さまの中には伊丹さんの映画作品『タンポポ』をご覧になったことがある方が多いと思いますが、記念館ショップにおきまして、この『タンポポ』のファンブックの販売を開始しましたのでお知らせいたします。

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タイトルは『PATU Fan×Zine vol.06 ハシゴの上のごちそう about タンポポ』(発行:「映画パンフは宇宙だ!(PATU)」)。
昨年11月より販売が開始され、この度、記念館のショップでも取り扱いをさせていただくこととなりました。

映画のパンフレットを少し小さめにしたような182mm×182mmのサイズで、表紙を含めた28ページの冊子には、ファンブックという観点から、映画から選んたあじわいのあるセリフやラーメンの食べ方、再現アレンジレシピ等『タンポポ』や伊丹さんに関するバラエティに富んだ内容が掲載されています。

そして、宮本館長が撮影時のエピソードや伊丹さんについて等々を語った、スペシャルインタビューもあります!

『タンポポ』ファンの方だけでなく、いろんな方が楽しめるのではないでしょうか。

価格は税込800円でショップ店頭でのみ販売中です。ご興味のある方はぜひ手に取ってご覧くださいね。

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スタッフ:山岡

2022.01.02 館長・宮本信子から新年のご挨拶

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新しい年を迎えました。

今年こそ、これ以上、何事もおこりませんように~~
祈るばかりです!

悪いことのあった後は、必ず次に良いことがある。
私は、そう信じております。

皆で乗り越えるしかありませんものネ。
なかなか苦しいこともあろうかと思います。
でも、心の余裕を持って、あるがままを見るつもりです。

次回また、記念館の受付でお待ちしております。
再会を喜びたいです~~(笑)

スタッフと共に、お待ちしております。

今年もよろしくお願い申し上げます。

館長 宮本信子