こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。
2021.11.29 12月1日、当館の宮本信子館長が伊丹十三記念館に出勤いたします
いよいよ今週です。
明後日です。
当館の宮本信子館長が2年4か月ぶりに記念館に出勤いたします!
2019年8月以来の出勤です。
松山には2020年1月に愛媛国際映画祭のイベント出演等のため訪れていたのですが、その時はスケジュールの都合上、記念館への出勤はできませんでした。
いわゆる「コロナ前」は年に数回、スケジュールの合間を縫って松山に来て記念館に「出勤」し、館長業務を行っていた宮本館長でありますが、
この2年近くは皆さまご存知の通り、遠方から移動することはままならなず、松山に来ることすらできていなかったのです。
そうしてやっと今週、明後日、記念館へ出勤いたします。
師走の出勤に、「今年のうちに」という宮本館長の強い気持ちがうかがえます。
という訳で、みなさま12月1日(水)13時頃~15時頃は、ぜひ宮本館長に会いに記念館にご来館ください。
出勤の様子は近日記念館便りにてご報告させていただきますのでそちらもお楽しみに!
※状況により急遽予定を変更する可能性もございます。
誠に恐れ入りますが、何卒ご了承ください。
※感染症対策のため、握手はご遠慮いただきますようお願いいたします。
マスクをしてお写真はお撮りいただけます。
スタッフ:川又
2021.11.22 第13回 伊丹十三賞 贈呈式を開催いたしました【2】
先週に引き続きまして、贈呈式の模様をお伝えいたします。
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選考委員のお一人・周防正行さんからの素晴らしい祝辞に続きまして、正賞の盾と、副賞の賞金100万円の贈呈が行われました。
正賞と副賞
正賞は選考委員の南伸坊さんから、副賞は宮本信子館長から、受賞者である清水ミチコさんへ。
正賞の贈呈
副賞の贈呈
そして今回の受賞者である、清水ミチコさんからのスピーチです!
受賞者・清水ミチコさんのスピーチ
" 今日は、伊丹十三賞をいただきまして、本当に心から感謝します。
また、お忙しいなかこんなにお集まりくださって、ありがとうございます。"
受賞者スピーチをする清水さん
●今回の受賞理由となった、YouTubeでの活動
" 私の表現する中身が、ゴールもないし、これが正解だっていうものもないものですから、今までも、笑いながらではあるんですけど、「このままでいいのかな」という一抹の不安を抱えながら歩いてきたようなところがあって。
コロナ禍において自分の仕事が激減しまして、ライブもないし、テレビもないということで――それで「自分は何をしたかったんだろうか」と考えたり、「そもそも表現したかったっけ」ということで自分なりに考えたんですね。
それでYouTubeという媒体があるということでやってみたら、いままでの自分の作品を出したり、昨日見た面白そうな政治家の声をトライして流したりするうちに、「そういえば自分はちっちゃい頃から、誰に頼まれるわけでもなく、自分の世界に入っていって誰かに耽溺するのがすごく好きだった」っていうことが明確になったんですね。"
●伊丹十三賞の受賞は「本当に嬉しかったです」
" だけど、こういう芸風なので、ひんしゅくを買うことはあっても何か賞をいただけるというのはすごくほど遠い存在だと思っていたので――この賞は本当にびっくりしたし、重みが、他の人とは違うと思うんですね。本当に嬉しかったです。ありがとうございました。
そして「これからも好きなことをやっていいよ」って言われたような気がしました。
なので、これから私ではなく「3人の人」からスピーチをしたいと思います(場内笑い・拍手)。"
● 清水さんによる " 3人 "のスピーチ
" 桃井かおりさん " より
「えっとさぁ、勘違いしないでいただきたいんだけど、この伊丹十三賞を受賞したのは清水ミチコなんかじゃなくて、あたしたちレパートリーのほうなわけ。
感謝とか謝罪とか、そういうことをしっかりしていただきたいのは、あたしたちのほうだから、そこのところ、よろしくお願いします。マスコミのみなさんもよろしく。」
" 瀬戸内寂聴さん " より
「はい皆さん、今日はね、ようこそいらっしゃいましたね。
振り返ってみますとね、今年もほとんど終わりでしょ。あと2か月も切ってしまったんですよ。あっという間でしょ。
そんなに忙しい中にね、皆さんようこそいらっしゃいました。ほんとにありがたいなと思っております。
清水ミチコさんもね、伊丹十三賞なんていう大きい賞をもらったわけですけれども、これに驕らずにね、自分に対して驕らない、そして賞金のほうは人に対して奢らないということで「おごらない」人生をね、まっとうしていただきたいなというふうに思っております。
本日はほんとうにおめでとうございました。そしてありがとうございました。」
" 小池百合子都知事 " より
「いまご紹介にあずかりました小池でございます。
このように区切ってお話するというポイントがございますけれども、審査員の皆さん、それから関係者の方々、お願いしたいことがありまして。今年令和3年ですよね(指で3を示す)、伊丹十三賞(同)、十三回目(同)ということで、3が三つ重なっているんですよね。
わたくしは、口を酸っぱくして『3密を避けて』というふうにお願い申し上げておりましたので、ぜひ次回からはこれを回避すべく、よろしくお願いいたします。東京都からの厚いお願いでございました。」
"ありがとうございました!" (場内拍手)
―――上記でそのお名前をご紹介させていただいた
瀬戸内寂聴さんが、11月9日にご逝去されました。
謹んでお悔やみを申し上げますとともに、
心よりご冥福をお祈りいたします。
宮本信子館長あいさつ
" 楽しいスピーチ、ありがとうございました(場内拍手)。清水さん、本当におめでとうございます。
受賞発表のあと、いろんなところで(受賞について)お話してくださいまして、私本当にうれしかったです。ありがとうございます。
去年は、宮藤官九郎さんが受賞されましたけれども、何もできませんでした。本当に残念だったんですけれども...ですから私、宮藤さんがちょうど出演なさっていたPARCO劇場のロビーに行って、ロビーの中で、宮藤さんに正賞と副賞をお渡ししました。そんなことがありました。(その時の様子はこちら)
でも今日は、リモートで、マスコミの皆さま関係者の皆さまと、密を避けてこうして贈呈式ができますことを本当に嬉しく思っております。
あいさつをする宮本館長と、じっと聴き入る清水さん
清水さん、ますますのご活躍を、心からお祈りしております。
今日はまことにありがとうございました。おめでとうございます。"(場内拍手)
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清水さんならではのユーモアあふれるスピーチ、本当に素晴らしかったです!
今回、贈呈式後の祝賀パーティーは残念ながら行われませんでしたが、おかげさまで終始和やかな雰囲気のなか、式典を無事に終えることができました。
清水さん、選考委員の皆さん、関係者の皆さん、この度はまことにありがとうございました。
これからも、伊丹十三賞をよろしくお願いいたします。
スタッフ:山岡
2021.11.15 第13回 伊丹十三賞 贈呈式を開催いたしました【1】
11月2日(火)「国際文化会館」(東京都港区六本木)において、第13回伊丹十三賞の贈呈式を開催いたしました。
【清水ミチコさんと選考委員4名と宮本信子館長】
記念すべき「第13回」目の伊丹十三賞をご受賞くださったのは皆さまご存知、清水ミチコさんです。
例年、贈呈式にはたくさんの方をお呼びしておりますが、今回はコロナ禍の状況を鑑み一部の方を除いて無観客で開催し、式の模様は「Zoom ウェビナー」を通じてご希望の方にオンライン中継いたしました。
記念館便りでは、2回にわけてこの贈呈式の模様をレポートさせていただきます。まず、今週の記念館便りでは伊丹十三賞の周防正行選考委員からの素晴らしいご祝辞をご紹介させていただきます。
【ご祝辞を述べられる周防正行選考委員】
・・・・周防正行選考委員からの祝辞・・・・
【「喜んで受賞していただけるのだろうか?」という不安。】
受賞していただいて本当にありがとうございます。
伊丹十三賞で選考委員をやらしていただいてみんなでご受賞される方を決めた後に真っ先に思うのが「喜んで受賞していただけるだろうか」っていう不安なんです。
そういう気持ちになるっていうことは選考委員になって初めて知ったんです。
だから清水ミチコさんに玉置さんのほうから伊丹十三賞の受賞のお知らせをしたときに素直に喜んでいただけるものだろうかと。
玉置さんから「受賞していただけました」というのを聞くとほっとする、っていう。
だってある日突然「受賞されました」っていう報告があるわけですよね。
かなり驚かれるんじゃないかと。
(清水さん:「びっくりしました」)
そういうわけでありがとうございました、の後に、おめでとうございます。
(清水さん:「ありがとうございます」)
【伊丹十三賞を選ぶポイントは「名付けようのないことをしている人」】
ただ、多分僕が受賞者の立場に立つと一体どうしてどうやって選ばれたんだろうと気になると思うんです。
気になります?
準備委員会というのがあって、どういった人が伊丹十三賞にふさわしいかと、伊丹十三賞をいろいろバックアップしてくださるいろんな方から推薦があって、何人もの人、何人もの作品があがってきます。
4回準備委員会があってその中で清水ミチコさんを含めて6名の方が候補として選ばれました。
選考委員の4人が松家仁之さんの司会のもとに集まって、その6人の中のだれが一番伊丹十三賞にふさわしいかという議論をしていく。
そして1名を選びます。
そういう過程を経て今ここに。
いつもその議論に向かうときに、それぞれの人の作品も素晴らしいんですけれども、どなたが最も伊丹十三賞という名にふさわしいか。業績をあげられたんだろうか。
ご存知のように伊丹さんはデザイナー、イラストレータ、エッセイスト、俳優、映画監督、宣伝プロディーサーとしてもすごくその存在が大きかった。
まあ、それだけの分野で長く活躍して来られた人っていうのは、そうそう他にいらっしゃるわけがない。
で、選考の一番のポイントは伊丹さんが見たら「これはすごい」と思わず膝を叩く。喜ぶ。感嘆の声をあげる。そういう人やモノ、パフォーマンス、作品が伊丹十三賞を選ぶときのポイントになります。
で、もうひとつは、これは僕は強く思うんですけど「名付けようのないことをしている人。」
要するにいろんなジャンルがありますけれど、そのジャンル分けがなかなかできにくい人。新しいことを始める人。やっている人。それは今までの受賞者の顔ぶれを見ていただけると何となくわかっていただける。
逆に今までの受賞者の方をみて伊丹十三賞っていうのはどういうものかっていうのがもしかしたらわかってくるんじゃないか。
【こんなに近しく楽しませてくれていた人が候補の中にいる】
今回清水ミチコさんですけど、清水さんもモノマネ、女優、エッセイスト、ナレーターもやるし、テレビタレントとしてテレビのバラエティで活躍もされている。
本当に幅広く活躍されています。
だから、そのモノマネについてもただモノマネができるとか上手いじゃなくて、どう表現しているかっていうところでも、すごくユニークな活動をされている方。
本当にこんなに長く続くんだっていうくらい長きにわたって面白いことを続けて来られたわけですけれども。
その都度その都度いろんなふうに驚かせてくれている。っていうことがよくわかりました。
今回候補者の名前に 清水ミチコさんを見て、ドキッとして。
こんなに近しく楽しませてくれていた人が候補の中にいる。
【YouTubeっていう表現の場所で改めて清水ミチコさんがどれほど素晴らしいかどれほどすごいことをやっているか本当に印象付けられました】
長年活躍されてこられた清水さんに今どうして伊丹十三賞かっていうと、先ほど玉置さんからのお話しもありましたように、やっぱりYouTubeがすごく大きい。
そのYouTubeを始められたのが去年の4月ですかね。
本当にあのコロナ禍の中で、私自身も家に閉じこもることが増え、ものすごい閉塞感の中に生きていたんですけど、YouTubeを縦横無尽に展開される清水さんのパフォーマンスは本当に癒されるというか多くの人が元気づけられたと思います。
そのコロナ禍のなかで発見されたYouTubeっていう表現の場所で改めて清水ミチコさんがどれほど素晴らしいかどれほどすごいことをやっているか本当に印象付けられました。
これは伊丹十三賞を結び付けていく、無理やり結びつけるわけじゃないんですけれど例えば、小池百合子さんのモノマネに始まってそこにある鋭い批評精神だけどどっか柔らかいというか。
モノマネされた側が一体どう感じるんだろうか。
微妙な線。
非常にきわどく相手のふところに飛び込む面白さがある。
そこに展開される批評精神。
【世の中の人があまり気付いていない面白さを発見してそれをとことん楽しむ】
そしてついにモノマネを完成させる道をネタにしてしまう。
本当に伊丹さんと僕は映画製作のメイキングビデオで伊丹さんとは長く仕事をしたので、自分のやっていることを見せていく。
その過程を楽しむ。
そういうところでまた伊丹さんと近しいと思いましたし、世の中の人があまり気付いていない面白さを発見してそれをとことん楽しむ。
っていうところで本当に清水さんは伊丹さんと似ているなというふうに改めて思いました。
本当にそういうわけで改めて受賞していただきありがとうございました。
それではおめでとうございます!
これからも末永く面白がらせてください。
・・・周防正行選考委員からのご祝辞は以上でございます。
「これからも末永く面白がらせてください。」
清水さんにお贈りするにぴったりの言葉ですね。
そうです、私たちはずっとずっと長い間、清水さんに「面白がらせて」もらっていたんですね。
そのことを噛みしめることとなった、周防正行選考委員からの素晴らしいご祝辞をご紹介いたしました。
今週はここまでとなります。
来週の記念館便りでは、清水ミチコさんの受賞者スピーチを中心に贈呈式の模様をご紹介させていただきます。
お楽しみに!
スタッフ:川又
2021.11.08 セットメニュー
記念館便りをご覧のみなさま、こんにちは。
秋も深まってまいりました。記念館の庭木には既に落葉したものもありますが、入り口横のヤマボウシはちょうど今きれいに色づいています。
さて、カフェを利用されるお客様から、オーダーの際に「セットメニューはありますか?」とよくお尋ねがあります(「セット」というと、いろいろ試せてちょっと嬉しいですよね!)。
本日は、カフェタンポポでオーダーしていただけるセットメニューをご紹介します。
まずは季節柄、温かい飲み物からご紹介しますと、梅こぶ茶やしょうが湯と十三饅頭をセットにした「しょうが湯&十三饅頭」と「梅こぶ茶&十三饅頭」(ともに税込500円)がございます。
「しょうが湯&十三饅頭」セット。
中に、スライスしょうがをじっくりことこと
甘く煮込んだしょうがチップが入っています。
どちらも、これからの季節に飲みたくなる体があったまるメニューですよ。
大人気の十三饅頭は小ぶりの茶饅頭で、ちょっと何か食べたいな、という時にピッタリです。
伊丹さんの名前のついた十三饅頭を、お得なセットでぜひ召し上がってみてください。
そしてもうひとつ、アイスメニューのセットで、特に県外からの方に人気なのが「みかんジュース飲み比べセット」(税込700円)です。
カフェタンポポでは清見タンゴール、デコタンゴール、愛媛みかんの3種類のジュースをご用意していて、それぞれ単品でもご注文いただけますが(各税込600円)、これを一度に味わえてしまうのがこのセットです。
よくお尋ねのある、グラスのサイズはこれくらいです。
(文庫本を置いてみました)
ご来館の際はぜひお試しください。
スタッフ:山岡
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<記念館よりお知らせ!その1>
テレビや新聞の報道でご存知の方もいらっしゃるかと思いますが、11月2日(火)、受賞者・清水ミチコさんご出席のもと第13回伊丹十三賞の贈呈式が行われました!
後日、ホームページで式の模様などあらためてご紹介させていただきます。
<記念館よりお知らせ!その2>
おなじみ「毎月十三日の十三時は記念館で伊丹十三の映画を観よう!」、今月の作品は『タンポポ』です。
11月13日(土)の13時より常設展示室で上映いたしますので、ご興味のある方はぜひどうぞ!
2021.11.01 ほぼ日手帳
書店などの店頭には来年のカレンダーやスケジュール帳が並ぶ季節がやってきました。伊丹十三記念館では長年「ほぼ日手帳」を愛用しています。
ほぼ日手帳とは、私が説明するまでもありませんが一応ご説明させていただくと、第1回伊丹十三賞をご受賞なされた糸井重里さんが運営するウェブサイト「ほぼ日刊イトイ新聞」で開発された手帳です。サイト内の「ほぼ日ストア」や一部店頭でも販売されています。
記念館ではネットワークでの情報の共有もしていますが、毎日のミーティングにおいてスタッフ全員で顔を見合わせて確認したいことや伝言などを自由に記入したり、リマインドのためにメモをしたりと、やはり紙ベースでスケジュール管理をするものも必要となり、そこで使用しているのがほぼ日手帳なのです。
ほぼ日手帳はとにかく使い勝手が素晴らしく良いのです。使われたことがある方ならおわかりかと思いますがとにかくストレスフリーなのです。1日1ページなのに手帳自体が厚すぎない。紙が薄いからです。紙が薄いけれど破れたりなどの心配は一切いりません。大変上質な丈夫な紙が使われているようです。
とにかく長年使っていて「あ~ここ気になるな~」と思うところが一つもないのです。
という訳で「来年は別の手帳にしよう」などと言い出すスタッフはおりません。
倉庫から引っ張り出してきた過去のほぼ日手帳の数々です。今年で7冊目。
という訳で伊丹十三記念館では来年ももちろんほぼ日手帳を使わせていただきます。
もしも来年の手帳、どうしようかしらとお思いの方がいらっしゃいましたら、「ほぼ日手帳」をおススメいたします。
自分が休みの日のページには連絡事項を書いておいたり・・・
忙しい日もあれば・・・
和む日もあったり。
スタッフ:川又