こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。
2020.02.24 新Tシャツのご案内
このたび伊丹十三記念館グッズショップに、新Tシャツが加わりました。
すでに販売中の白、黒、赤のTシャツとはちょっと違う色――初めてのネイビーTシャツの登場です!
ネイビー(濃紺)色のTシャツに、濃い緑の線で猫のイラストがプリントされています。
イラストは、伊丹さんの著書『問いつめられたパパとママの本』にあるエッセイ「ネコノ眼ハナゼ光ルノ?」の挿絵となっている猫を3匹並べました。ご存じの方も多いと思いますが、この挿絵は伊丹さんが描いたものです。
TシャツはDALUC製。肌触りの良い薄手のコットンを使用しており、やわらかい着心地です。
もちろん、Tシャツ本体、色、デザインなどなど、宮本館長がこだわって作った " 宮本館長プロデュース商品 " です!!
宮本館長のコメント!
特にこれからTシャツの活躍する時期ですね!ぜひ一枚いかがでしょうか。
スタッフ:山岡
2020.02.17 「中身が一緒」と言えば・・・
先日、久しぶりに映画「モテキ」を観ました。
1月に記念館便りでご紹介させて頂いた愛媛国際映画祭の「ラジオ公開シンポジウム~生き続ける『伊丹十三』イズム~」を聞いた日の夜中のことです。
というのも映画監督の大根仁さんがこのシンポジウムでご自身の監督作品「モテキ」の話をされており、突然、無性に次の休みまで待てないくらい「モテキ」が観たくなったからです。(ちなみに後日ドラマも全話観ました)
テンポが良くて、音楽も良くて、とにかくとても面白くて、もしもまだ観たことがないという方がいらっしゃいましたらぜひご覧頂きたいと思います。
さて、大根監督はご自身のことを「伊丹っ子」とおっしゃる程、若いころから伊丹さんに憧れて、大きな影響を受けていらっしゃるのだそうです。
シンポジウムでおっしゃっていたのですが、映画「マルサの女」の企画から完成までを詳細に記した伊丹さんの著書『「マルサの女」日記』をなんと5冊もお持ちだそうです。
「中身は全部一緒なんですけどね(笑)」と最後に付け足していらしたのが印象的でした。
そうそう、伊丹十三記念館で「中身が一緒」と言えば・・・
伊丹十三記念館ガイドブックは表紙が2種類あるのですが、中身は一緒です。
一つは伊丹さんの顔写真を使ったもので、もう一つは伊丹さんのイラストを配置したものです。
雰囲気は違いますがどちらもいい感じです。
ご購入される際にはお好みのほうをお選び下さいませ。
大根監督のように「伊丹っ子」のお客様の中には2種類とも購入される方もいらっしゃいますよ。
宜しければチェックしてみて下さい。
伊丹十三記念館 ガイドブック のご購入は
こちらから ↓ ↓ ↓
スタッフ:川又
2020.02.10 春の気配
1月半ば頃から、スーパーの野菜売り場などで、ときおり菜花(ナバナ・食用菜の花)を目にするようになりました。「もう菜花が出ているのか、早いなぁ」と思っていたのですが、2月に入り、より頻繁に見かけるように。菜花が旬を迎えるということは、春が近づいているということですね。
季節のめぐりは早いなぁと思いつつ、寒さつづく毎日の中で春を感じられることがうれしく、たまに購入して風味をたのしんでいます。
野菜売り場に並ぶ菜花は花が咲く前のものですが、身近に自生する菜の花は、あざやかな黄色の花を咲かせてわたしたちの目を楽しませてくれますね。
先月の記念館便りでもお伝えした記念館前の川沿いに咲く菜の花は、数が増えて、いっそう華やかになりました。寒い日に菜の花の黄色を目にすると、気持ちが明るくなります。
記念館敷地内の樹木たちも、春に向けて少しずつ準備をはじめているようです。
そのようすを、少しご紹介いたします。
ユキヤナギ
こちらは、白い花が愛らしいユキヤナギ。陽がよくあたるところから、徐々に咲きはじめています。
トサミズキ
つづいて、トサミズキ。わずかに芽がふくらんでいるのがわかります。
カツラ
さいごに、カツラ。こちらはまだまだのようですね。それでも、徐々に枝先が赤くなりはじめています。
記念館にいらした際には、刻々と移りゆく樹々の姿も、ぜひお楽しみください。
スタッフ : 淺野
2020.02.03 椿
立春を前に、併設小企画「伊丹万作の人と仕事」に展示している"かるた"の入れ替えを行いました。
このかるた、元は、『子供トナリグミカルタ』といいまして、1942年に発売された市販の玩具で、名前から容易に察せられるとおり、「ツクレ ツヨイ ダイトウア」「ススムニッポン ケンセツ ニッポン」などの標語で少年少女たちを軍国主義に染め上げようというものでした。
小学生だった伊丹十三がそんなかるたを買ってきて遊んでいるのを見た父・万作は、「何ということだ、これではいけない」と許しがたく耐えがたく思ったのでしょう。
あまたある松尾芭蕉の俳句から「いろは」ではじまる47句を選りすぐり、『子供トナリグミカルタ』の札を裏返して、読み札・絵札を全部自分で描いた......という、完全手作りの1点モノにして、万作の人柄をよくあらわす品なのであります。
伊丹万作についてはこちらのページもご覧ください。
すべての札の両面を複製し、壁面に並べています。
伊丹万作の手作りかるた(上2段)と『子供トナリグミカルタ』(下2段)。
("入れ替え"たのは、このコーナーの展示台に入れている"実物"です。)
俳句をもとに作られているだけあって、季節の風物・風景が描かれているのを楽しくご覧いただける品(さすが元挿絵画家!)でもありますから、暦に応じた季語の札を8組ずつピックアップして、お目にかけています。
展示する札を決めるときは「絵札のモチーフの種類(風景・人・動物・虫など)」「色味」といった見た目のバランスを重視してきましたが、今年の春は、お花ばかり選んでみました。
右上から「いろは」順に
龍門の 花や上戸の 土産にせむ / るすに来て 梅さへよその 垣根かな /
よく見れば なづな花さく 垣根かな / 両の手に 桃と桜や 草の餅 /
園ひろき 徳ありてこそ ふきのとう / 落ちざまに 水こぼしけり 花椿 /
くたぶれて 宿かるころや 藤の花 / 山路来て 何やらゆかし すみれ草 /
「春の花」と言っても、まだ寒いうちから咲くものもあれば、暑くなりはじめる頃に咲くものもあり、表情豊かな展示になっています。
今の時季にぴったりなのは、
やはり椿でしょうか。
ちなみに、松山市の花もヤブツバキ。1971年に市花に制定されました。
ごく簡単に申しますと「聖徳太子が道後温泉を訪れたとき(596年)、温泉のすばらしさを讃えて作ったと言われる碑文の中に、温泉の周りに椿が生い茂って赤い花が咲き、見事な景観だったことが記されていた(らしい)」というのが由来なのだそうです。
ご遠方からいらっしゃる方は、松山のあちこちで椿の木・花をお見かけになったり、 "椿""つばき""キャメリア"のつくお店の名前・施設名、椿の意匠のお菓子やお土産品が多いことにお気づきになったりして、「おや?」となることと思いますが、そういうわけなのでございます。
そして、お足元に注目していただきますと、こんなものも――
松山のマンホール蓋(彩色バージョン)です。
紅白の椿の周りにあしらわれているのは伊予絣の井桁文様。
松山市中央公園の野球場「坊っちゃんスタジアム」前で撮影しました。
聞くところによれば「"ご当地絵柄"のマンホールの蓋を探して、写真に撮るのを旅の習慣にしている」という方が少なからずいらっしゃるんだそうですね。(調べてみると、全国津々浦々、まことに様々な絵柄の蓋があり、各自治体が"マンホールカード"なるものを配布しているとか。)
椿の名所は日本各地にありますが、記念館、松山でも椿いろいろ、ぜひお楽しみください。
学芸員:中野