お葬式(1984年)
伊丹十三の映画監督デビュー作である本作は、突然肉親の死に見舞われた俳優夫婦が、慌て戸惑いながらも、まわりの人々の助けを借りて無事に葬儀を終えるまでの3日間を描いた作品。
1983年9月、妻・宮本信子の父親が亡くなった際、葬儀を主宰した伊丹は「これは映画だ。映画になる」と言ったという。喪に服した翌年の正月に脚本を書き上げ、半年後の6月にはクランクイン。湯河原・伊丹邸で撮影を行って完成した作品は、お葬式を悲劇としてではなく、人間喜劇として描いているものだった。しかもそれは、実に映画的な細部の積み重ねによって構成された、映画らしい映画だったのである。
51歳の新人監督は、大きな拍手をもって迎えられた。
DATA
製作:ニュー・センチュリー・プロデューサーズ/伊丹プロダクション
配給:日本アート・シアター・ギルド
サイズ:スタンダード・サイズ
カラー:カラー(一部モノクローム)
音声:モノラル
時間:124分
STAFF
脚本・監督:伊丹十三
製作:玉置泰/岡田裕
プロデューサー:細越省吾
撮影:前田米造
照明:加藤松作
美術:徳田博
録音:信岡実
編集:鈴木晄
音楽:湯浅譲二
装飾:山崎輝
特機:落合保雄
結髪・メイク:小沼みどり
モノクロ撮影:浅井慎平
製作担当:藤田義則
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CAST
井上侘助:山崎努
雨宮千鶴子:宮本信子
雨宮きく江:菅井きん
雨宮正吉:大滝秀治
里見:財津一郎
海老原:江戸家猫八
雨宮真吉:奥村公延
綾子:友里千賀子
茂:尾藤イサオ
明:岸部一徳
青木:津村隆
木村先生:津川雅彦
木村夫人:横山道代
花村夫人:西川ひかる
キヨちゃん:海老名美どり
住職:笠智衆
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