記念館便り ― 記念館からみなさまへ

記念館便り

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。

2017.07.24 第3回伊丹十三賞の記念講演会が書籍に収録されました

第3回伊丹十三賞受賞者・内田樹先生の記念講演「伊丹十三と戦後精神」が収録された『日本の覚醒のために――内田樹講演集』(晶文社)が発売になりました。

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講演会が松山市内で開かれたのは2011年11月29日ですから、もう6年も前になります。
開催の日、900名を超えるお客様にこのお話を生で聴いていただけたこと、後日、ホームページで全文を公開してさらに多くの方にお届けできたこと、とても嬉しくて興奮したのをよく覚えていますし、数年経って、このように名付けられた本の中に編んでいただいたことで、また新たな嬉しさを感じております。

20111129.JPG講演会の様子(2011年11月29日)

本書に収録されているのは、2011年から2015年までの5つの講演とスピーチです。
「もう、起きなよ」という日本人へのメッセージがテーマだと「まえがき」にあるように、たしかに、6年前の講演会のときも、先生のお話にじーっと聞き入っていたみなさんが、終演後、つい今スッキリと目醒めたかのような表情、目からウロコが落ちて新しい世界を見ているかのような表情で、続々とロビーへ出てこられたのを拝見しました。その雰囲気に圧倒されたことは、特に忘れられない思い出です。

20111129_2.JPG檀上の内田樹先生(2011年11月29日)

 

長年の、多岐にわたるご活動を通して「先人の学びに学ぶことの大切さ」を繰り返し繰り返し丁寧に説かれ続けていることは、多くの読者が内田先生に寄せる信頼の厚さにつながっていると思うのですが、学びの対象として伊丹十三と『ヨーロッパ退屈日記』を論じていただき、他の講演録とともに本というかたちにまでしていただきました。
これでまた、たくさんの方が伊丹十三に出会い、多様な視点で作品を捉えて、いろいろに語ってくださることだろう、と想像しています。

この『日本の覚醒のために』で伊丹十三に初めて興味を持って、あるいは、初めて伊丹十三を知って、すでに『ヨーロッパ退屈日記』を手に取った方もいらっしゃるでしょうし、インターネットで検索して「へぇ、記念館があるんだ」と、このホームページにたどり着いた方もいらっしゃるかもしれません――ようこそ、いらっしゃいませ!
これから末永くお付き合いいただけますよう、よろしくお願いいたします。

essays.jpg書き手としての伊丹十三については、展示紹介
グッズショップのご案内もぜひご覧ください。

また、「伊丹十三と戦後精神」を会場でお聴きになった方も、内田先生のブログやこのホームページで採録をお読みになったことのある方も、『日本の覚醒のために』、ぜひお手に取ってみてくださいね。

梅雨が明け、いよいよ本格的に夏となりました。日本という国について考えさせられることの多い季節に読んでいただきたい、励ましが詰まった一冊です。

学芸員:中野