記念館便り ― 記念館からみなさまへ

記念館便り

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。

2017.06.26 常設展示を一部入れ替えました

梅雨入りしても雨のない日が多かった松山。
「空梅雨だと夏が大変ね......」と心配していましたが、ボチボチと梅雨らしくなってきました。しばらく雨が続きそうです。

雨の記念館、とってもイイんですよ。

20170626_1.jpg

中庭の緑がしっとりとなって、晴れている日の二倍も三倍も、寛いだ気分を濃厚に感じていただけると思います。雨の日こそ伊丹十三記念館へ!(とまで言ったら、お日様に悪いかもしれませんが......)

さて、館内のほうは、常設展示を一部入れ替えいたしました。

初展示の資料をいくつかご紹介させていただきます。

20170626_2.jpg伊丹十三のデザインワーク。
60年代のものから90年代のものまで
見比べていただけるようになりました。

20170626_3.jpg――「お洒落」という、いささかインチキ臭い言葉よりも、
身嗜みということを大切にしようではないか――
日本人とファッションに関する、あの名エッセイのイラストです。
文庫本を片手に、見比べていただくのも面白いかもしれません。

20170626_4.jpg『タンポポ』絵コンテと撮影台本。
カンタン美味しいレシピもご覧いただけます。

20170626_5.jpg絶版になっている映画撮影日記を
伊丹さんの直筆原稿でお読みいただけます。

新しい展示品の中には、収蔵庫ツアーでご紹介して、ご好評いただいたものもあります。いわば"試運転"を経た展示品です、ご期待くださいませ。

収蔵庫の中では間近に見られなかったものがつぶさにじっくりご覧いただけるようになりましたので、これまでにツアーにご参加くださった方も、ぜひまたお越しくださいね。

では、みなさまのご来館をお待ちしております。

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2018年3月までの長期企画、日本映画専門チャンネル「総力特集 伊丹十三の映画」で伊丹映画全10作が放送されています。
7月は、監督第9作『スーパーの女』(1996年)、監督第10作『マルタイの女』(1997年)。

伊丹映画をご自宅でお楽しみいただくチャンスです。視聴方法・スケジュールはチャンネルホームページでご確認ください!

記念館の常設展示室で行う「毎月十三日の十三時は記念館で伊丹十三の映画を観よう!」は、7月13日(木)、『マルサの女』(1987年)です。こちらもよろしくお願いいたします。

学芸員:中野

2017.06.19 商業デザイナー

エッセイ『ヨーロッパ退屈日記』(伊丹十三著)のあとがきに、伊丹さん21歳当時のこととして、こんなことが書かれています。

私は駆け出しの商業デザイナーであった。(中略)職人であった私に与えられる仕事は、主に、車内吊りのポスターと、目次のデザインであった。

――「B6判のためのあとがき」『ヨーロッパ退屈日記』


ご存じない方もいらっしゃるかもしれませんが、伊丹さんには「商業デザイナー」としての顔がありました。その仕事を、記念館の常設展示室で具体的にご覧いただけます。
たとえばこちら。雑誌『文藝春秋 漫画讀本』(1954年創刊/1970年休刊)の車内吊りポスターです。

2017.0619-1.JPGユニークなキャラクターが印象的な『漫画讀本』ポスター
伊丹さんが手がけた、さまざまなパターンを入れ替えながら展示しています


ご覧になったお客様から、「あのポスター、キャラクターが印象的で憶えています。伊丹さんのデザインだったんですね」とお声をかけていただいたことがあります。
他にも、伊丹さんが手がけた書籍の装幀や題字レタリングの仕事などを展示しており、商業デザイナーだったことをご存じない方からも、「伊丹さんらしいこだわりや遊び心を感じた」といったご感想をいただきます。

常設展示室には十三の名前にちなんだ13のコーナーがあり、商業デザイナーだけでなく、多彩な仕事ぶりや趣味についてご紹介しています。

2017.0619-2.jpg常設展示室の様子


つまり、伊丹さんには「13の顔」があるということで......まだ記念館にいらしたことのない方は、ぜひその13の顔をひとつひとつ想像なさってみてください。「映画監督」「俳優」「エッセイスト」――他にもいろんな顔があるんですよ。

伊丹さんの新たな一面に出会えることと存じますので、ぜひ一度記念館にいらしてみてくださいね。

スタッフ : 淺野

2017.06.12 ベントレーの洗車

先日、記念館に展示しているベントレーの洗車を行いました。開館以来初の洗車です。
 1ura.JPGご存知の方も多いと思いますがベントレーとはイギリスの有名な高級車です。記念館のベントレーは、伊丹さんが生前「最後の車だからこれが欲しい!」と意気込んで購入したという、伊丹さんの想いの詰まった愛車です。

伊丹十三記念館の正面向かって左側にガレージがあり、記念館が開館してから10年間ずっとこの場所でお客様をお迎えしてきました。
 gaikan0612.jpg

当日はネッツトヨタ愛媛の青山さんがお休みのところわざわざお越し下さって洗車を行いました。ちなみに伊丹十三記念館ができるまではベントレーはこのネッツトヨタ愛媛で保管され手入れされていたそうです。
まず、カーシャンプーでボディーを洗います。
次に、水ですすぎます。
その後、クロスで水滴をふき取ります。

hukitori2.JPG

最後にフロントグリル等をコンパウンドで磨き、
 2kon.JPG拭き取れば完了!ピカピカです。

usiro.JPGこのベントレーは大変に高価なものなので、「水をかけるなんてとんでもない!恐ろしい!」と、手入れには気が引けていたのですが、高級車とは言え洗車の方法は普通の車と同じだったのです。このベントレーのことをよくご存知のネッツトヨタ愛媛の方が一緒に洗車して下さったので、安心して手入れすることができました。(お休みのところわざわざお時間を取って下さり、誠にありがとうございました。)

日々の手入れ方法もしっかり教えて頂きましたので、これで今後は記念館スタッフでこの状態を保てることと思います。
 zentai0612.JPGご来館の際には綺麗になったベントレーもぜひご覧下さいませ。

スタッフ:川又

2017.06.05 「みなさまの声」

記念館ホームページ内にある「みなさまの声」というコーナーを、ご覧になったことはありますでしょうか。

来館されたお客様からいただいた感想などを、写真もしくは伊丹さんの描いた猫のイラストといっしょにご紹介しているコーナーです。記念館にお越しになったことがある方の中には、スタッフからお渡しする「みなさまの声」シートに、実際に「声」をお寄せくださった方もいらっしゃるかもしれませんね。

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記念館ホームページ右上、赤丸で囲ったところからご覧いただけます


minasamakoe-sheet (300x200).jpg「みなさまの声」シート。
ここに書いてくださった言葉をホームページでご紹介します

お客様がお寄せくださる「声」は本当にさまざまで、展示やカフェ、ショップなど記念館の感想をはじめ、ご来館のきっかけ、記念館イベントに参加した方であればそのイベントに関すること、伊丹さんをどのように知ったかや、中には伊丹さんへのメッセ―ジを書かれる方もいらっしゃいます。
宮本館長もお気に入りの、読み応えのあるコーナーです!

そして大変嬉しいことに、その「声」をきっかけに記念館にお越しくださる方もいらっしゃるんですよ。

つい先日も、このコーナーが大変参考になった、という県外のお客様がご来館くださいました。愛媛への旅行が決まり、どこへ行こうかな~と色々な施設をチェックしていてたまたま記念館のホームページにたどりついて「みなさまの声」を読んでいるうちに、伊丹さんに興味がどんどん湧いて、記念館や展示の雰囲気なども伝わってきて、記念館を訪れてみたくなったのだとか。こんなかたちの「口コミ」もあるんだなぁ!と有り難く、嬉しく思ったのを覚えています。(そのお客様も、「ぜひ書きたいです!」と「みなさまの声」にご協力くださいました。)

今までご来館いただいた方はもちろん、これから「記念館に行ってみようかな」と思ってらっしゃる方も、ぜひご覧になってみてください!


なお「みなさまの声」は毎週金曜日に更新させていただいており、公開したものは長期間さかのぼってご覧いただけます。
ホームページに紹介されたご自身の「声」をご覧になって、「記念館へ行ったよ!」とお知り合いに紹介したり、その時のことを思い出したりすることもできますので、ご来館の際はぜひ「声」をお寄せくださいね。スタッフ一同楽しみにしております。

スタッフ:山岡