記念館便り ― 記念館からみなさまへ

記念館便り

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。

2017.04.17 第8回「伊丹十三賞」受賞記念イベントを開催いたしました

2016年春に「第8回伊丹十三賞」を是枝裕和監督にご受賞いただいたことを記念したイベントを、2017年4月8日(土)に開催いたしました。

今回の受賞記念イベントは、是枝監督と、番組制作会社「テレビマンユニオン」の取締役でテレビ演出家・脚本家の今野勉さんの対談で、テーマは「伊丹十三とテレビ」でした(是枝監督と今野さんのご関係については、コチラの記念館便りでもご紹介しています)。

遠方からお申込みくださったお客様もいらっしゃいましたね。誠にありがとうございます。
本日は、対談当日の様子をお届けいたします。

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会場は、第7回受賞者・新井敏記さんのトークイベントと同じく、記念館内のカフェ・タンポポ(定員50名様)。午前中に降っていた雨も午後には止み、会場客席から雨上がりの新緑の中庭をご覧いただけました。

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こちらは開演前の是枝監督(写真中央)、今野さん(写真右)、宮本館長の中庭回廊での様子です。


イベントは18時に開演し、宮本館長からご来場の皆さまへのご挨拶のあと、是枝監督と今野さんを会場にお迎えいたしました。

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対談に入る前に、今野さんと伊丹さんが携わったテレビマンユニオン制作のテレビ番組から、旅番組『遠くへ行きたい』、歴史ドキュメンタリー『天皇の世紀』、ドキュメンタリードラマ『欧州から愛をこめて』の冒頭数分を、今野さんの解説とともにご覧いただいたのですが......皆さま、楽しそうに見入っていらっしゃいました。どの作品も古びることがなく、ほんとうにおもしろいんですよね。

0417_004.JPG上映後は、いよいよ対談スタートです。
はじめに、是枝監督は今野さんとのご関係についてこうおっしゃいました。

「同じ会社(テレビマンユニオン)で働いていた時期があります。大先輩。(中略)直接仕事をしたことは、ほとんどないです。僕にとっては、とても大切なテレビ人としての先輩ですし、いろいろな意味で自分がテレビを考えるときに、今野さんがどうテレビをとらえていたのかっていうのが、僕が物を作っていくうえでは、ひとつの指針になってきた方です」


この言葉を聴きながら、貴重なイベントを開催できましたことを、あらためて大変嬉しく存じました。

引き続き、今野さんと伊丹さんが携わったテレビマンユニオン制作の番組についてたくさん語っていただいたのですが、それらのテレビ番組が「自由」であることについてのお話が印象的でしたので、少しご紹介させていただきますね。

是枝監督「"自由ですね"というと、何も決めずに、ただ自然にしていれば自由に撮れると思われがちだけど、"撮れたものが自由に見える"というときには、おそらく、すごく考えているはずなんですよね。(中略)どう番組化していくか、という意識」

今野さん「その意識がないと、自由って表せないんです」

(中略)

是枝監督「同じ時代に、皆が今野さんや伊丹さんのようにテレビというものを自由にとらえていたわけではないじゃないですか。(中略)どうやって"テレビっていうのはここに本質がある。ここに面白さがある"というのを掴めたんですか?」

今野さん「伊丹さんは、ものすごくサービス精神が旺盛なんですよ。つまり、自分の考えていることを伝えるためには、人々が好奇心をもつような言い方・やり方が大事だという。僕はたぶん、その考え方は、映画になってますます発揮されていると思うんですよね」

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さらに、是枝監督はこんな風にもおっしゃっていました。

「テレビでものを伝えることに対して批評性を持っていますよね、番組自体が。自由であると同時に、自分たちが関わっている"テレビ"で伝えていることに対する批評性っていうものを、エンターテイメントとして見せていく。(中略)そこが、やっぱり古びないところだと思うんです」


――このように、当時の番組を是枝監督がどんな風に感じていらっしゃるのかを率直にお話しなさり、今野さんがその頃の様子を具体的に、生き生きと伝えてくださるので、わかりやすく、楽しく、ほんとうに贅沢な時間でした。皆さま、時には驚いたり笑ったりしながら、じっと聴き入っていらっしゃいましたね。


0417_007.JPG日が暮れた頃の会場の様子です


対談は大いに盛り上がり、予定時間を超えての終演となりました。お帰り際のお客様の表情は、どなたも「大満足!」といったご様子でした。

本日ご紹介したのは対談のほんの一部ですが、後日当サイト内に採録ページを設ける予定にしておりますので、楽しみにお待ちいただけましたら幸いです。

是枝監督、今野さん、楽しく貴重なお話をありがとうございました。
ご来館いただいた皆さまにも、心より御礼申し上げます。
これからも、伊丹十三賞をどうぞよろしくお願いいたします。

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イベント翌日には、宮本館長が記念館に出勤いたしました!
その様子も、ほんの一部ですがお写真でご紹介させていただきます。

guest_001.JPGguest_002.JPGguest_003.JPGguest_004.JPG皆さま会話が弾んでいらっしゃいましたね。
ご来館いただきまして、誠にありがとうございました。

スタッフ: 淺野