記念館便り ― 記念館からみなさまへ

記念館便り

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。

2016.05.30 制服

明後日から6月ですね。
6月というと、制服がある学校や会社などでは、冬服から夏服へ一斉に衣替えが行われるところが多いのではないでしょうか。
私も小学校から高校までずっと制服でしたので、この季節は自分も含め学校中が一気に涼しげな装いになって、すがすがしい感じがしたのを覚えています。


さて制服といえば、ここ記念館にも制服があります。ご来館くださったお客様の中には、スタッフが着ていた茶色い制服(ベスト)を記憶されている方もいらっしゃるかもしれませんね。ご覧になったお客様から「記念館ぽくていいね~」というお声をいただくこともあるこの制服をデザインしたのは、宮本館長です。記念館らしさはもとより制服としての着やすさなども考えて作られていて、何より、着ると気持ちが引き締まって「今日もがんばるぞ!」という気持ちになる、そんな制服です。そんな宮本館長こだわりの制服を着込んで、これからもしっかりとお客様をお迎えしたいと思います!

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【宮本館長の制服は黒、スタッフは茶色です】


そして最後に、とっておきのお知らせです。

既にチェックしてくださっている方もいらっしゃるかと思いますが、6月2日(木)11時頃~16時頃、宮本館長が出勤します!(当日の状況により、滞在時間は変更になることがありますのでご了承ください。)

当日は、宮本館長は上でご紹介した記念館の制服を着て、私たちスタッフと一緒にお客様をお迎えします。

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皆さまお誘い合わせのうえ、ぜひ記念館に足をお運びくださいね。
館長をはじめスタッフ一同、心よりお待ち申し上げております。

スタッフ:山岡

2016.05.23 英語

展示をご覧になったお客様から、「伊丹さんは英語が堪能だったんですね。なんでもできるんだな、と驚きました」とご感想をいただいたことがあります。
常設展示室では、伊丹さんの仕事の一部として、海外の映画に出演したことや、英語の書籍を翻訳したことも紹介していますので、それらをご覧になってのご感想です。確かに、どちらの仕事にも大変な英語力が必要でしょうから、「すごい!」と驚いてしまいますよね。

brochure.JPG映画『北京の55日』(ニコラス・レイ監督/1963年)のパンフレット(中央カラー冊子)
伊丹さんは日本人役で出演していますが、セリフは英語です

books_5.JPG伊丹さんの代表的な翻訳書も展示しています


伊丹さんのエッセイに、英語についてのこんな記述があります。

(前略)思えば、わたくしが英語を習い始めたのは一九四四年、わたくしが、小学校五年のときである。敗戦が翌年の一九四五年であるから、わたくしは、戦時中に英語を勉強した数少ない小学生であったろうと思う。
 わたくしたちのクラスは、特別科学教育学級という、日本の軍部が、将来の科学者を養成するために編成した、一種の天才教育のクラスであって、湯川秀樹、貝塚茂樹先生たちの息子さんたちが、わたくしのクラス・メートであった。(ああ百年の計なるかな)
 わたくしが、こういう学級にまぎれ込んだのは、何とも滑稽な過ちであるが、どういうものか英語だけは馬鹿に好きであって、従って成績は全く抜群であった。(後略)

――「この道二十年」『ヨーロッパ退屈日記』(1965年)より


小学生の頃から英語の勉強をはじめて、英語がとてもお好きだったようです。具体的な習得方法として、こんな風にも書いています。

(前略)英語を、ソロバンや、自動車の運転のように気軽に考えましょうではないか。
 それには、文法や読み書きではないよ。うまくアレンジされた、日常生活で一番頻度の多い文例、即ち「コレハイクラデスカ」「アナタハイクツデスカ」といった文例を、左様、まず三百、理屈もなにもなしに丸暗記することにつきると思われる。つまり小学校上級でできてしまうことなのです。

――「アイ・アム・ア・ボーイ」『ヨーロッパ退屈日記』(1965年)より


「理屈もなにもなしに丸暗記することにつきる」――やはり楽なことではありませんよね。けれど、「ソロバンや、自動車の運転のように気軽に考えましょう」と言われると、少しホッといたします。さらに文章は続きます。

 最近は、テープやレコードの類いが発達したから、こういうシステムで勉強している方も多いことと思われる。まことに結構なことと思うわけですが、最後に一言、忠告めいたことをいわせていただくなら、テープやレコードで会話を練習する場合、必ず、誰かを相手にして、相手の眼を見て練習することが望ましい。それが不可能なら、お宅の猫でも、鏡の中の自分でも、あるいはそこに誰かいると想像してその想像上の相手にでもよい。
 ともかく、独り言に陥らぬよう、何かの工夫をしていただきたいと思う。このことは、習った結果を、実際に役立てる際、意外に助けになると思われるので、さし出がましいことながら、一言申しそえました。

――「アイ・アム・ア・ボーイ」『ヨーロッパ退屈日記』(1965年)より


なるほど、言葉ですから「伝える」ということを忘れないように......ということですね。伊丹さんらしいアドバイスだな、と感じます。

ちなみに、伊丹さんの翻訳書のうち、『ポテト・ブック』(マーナ・デイヴィス著/河出書房新社)と『主夫と生活』(マイク・マグレディ著/アノニマ・スタジオ)は、記念館内のグッズ・ショップでもお買い求めいただけます。楽しい2冊ですので、ぜひお手に取ってみてください。

スタッフ:淺野

2016.05.16 開館9周年記念イベント・収蔵庫ツアー

すっかり緑の季節になりました。

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この季節の桂は、盛夏の頃の力強い緑とはちがって、若さゆえにちょっぴりはかなげで、日の光を吸い込むような色合いをしています。枝葉が風にそよぐと、これはもう格別の眺めです。

伊丹さんの誕生日にして記念館の開館記念日である5月15日。今年もまた、さわやかな気持ちで特別な日を迎えることができました。
2007年の開館からの9年間にお越しくださったすべてのお客様へお礼申しあげますとともに、こんないい日に生まれてくれた伊丹さんにも感謝です。

開館9周年記念イベントとして、ささやかではございますが、5月13日・14日・15日の3日間、各日2回の計6回、収蔵庫ツアーを開催いたしました。

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記念館の収蔵庫の2階は、伊丹十三の愛用品や衣類、蔵書などを"展示風"に収蔵し、自宅の一室の再現コーナーもある、ちょっと変わったスペースなのです。事前にご応募くださったお客様と伊丹さんについておしゃべりしながら1時間ばかりご案内する、そんな催しです。
(たくさんのご応募をいただきましたので、残念ながらご落選となってしまった方もいらっしゃいました。まことに申し訳ありません。またぜひご応募にトライしてください!)

本日の記念館便りは、頂戴したご感想をもとに、一部収蔵品の写真もまじえて、収蔵庫ツアーのレポートをいたします。

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楽しかったです。熱中すること、自分のものにすること、自分の生活も見直したいと思いました。もう一度映画を観たいと思います。もっと活躍していただきたかったな、と改めて思いました。

愛用品や私服、自宅の再現等、展示室よりもさらに伊丹さんの生活の様子が分かり、大変興味深かったです。面白く拝見することができました。

初めて入館しました。一六タルトのCMで存じており、監督した映画も知っておりましたが、多趣味でかつ才能があふれている方だったのだと、早逝を残念に思います。展示品の入れ替えに合わせて、再度訪れたいと思います。

初めて訪れ、建築、収蔵庫にあるもの、興味深く拝見しました。
作品はあまり観たことがありませんが、ツアーで拝見した衣装を目に焼きつけたので、近いうちにDVDで鑑賞したいと思いました。

普段は公開されていない収蔵庫の中を見られて本当に感激しました。詳しい説明やエピソードを聞けて楽しかったです。また来年も応募します!

やっとこの収蔵庫ツアーに足を運ぶことができました。今日で来館三度目ですが、いつか朝からどっぶりと浸りにまいります。伊丹さんは私の人生の師。宮本さんは私の憧れの女性です。

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初めての来館が収蔵庫ツアー。なんと幸せなことでしょう。松山南高の大先輩である伊丹十三さんは、ずっと気になる素敵な方でした。収蔵庫ツアーで伊丹さんの心意気や暮らしぶりに、少しだけ触れられた気がします。
私自身、家庭の事情で自分の時間がなかなか取れない毎日でしたが、少しずつ時間が増えてきました。またゆっくりと訪れたいと思います。

第二の展示室のように見やすく置かれていただけでなく、自宅のダイニングルームの再現のように、伊丹さん一家の雰囲気も感じることのできる、いい収蔵庫でした。ガラスを隔ててでなく、イラストの原画や直筆原稿や衣装、小物が見られたのも幸いです。

すばらしい収蔵品を見ることができて感激しました。展示の仕方も工夫されていて、見やすかったです。
このツアーに参加することが決まって『ヨーロッパ退屈日記』を読み始めました。まるで伊丹さんがすぐそこで話しているようです。あの時代に書かれたとは、と感心しています。もう新しい映画が観られないのが残念でたまりません。

ひとつひとつの物にすごくこだわってコレクションされていたことが伝わってきました。今回参加させていただいて、又、改めて伊丹先生の人物像を再発見させていただいたと同時に、魅力的な方だなと思いました。伊丹先生の人生に触れることができて本当に嬉しく幸福(しあわせ)でした。又、参加させていただきたいです。

念願の収蔵庫ツアー、非常に楽しませていただきました。知らなかった伊丹氏の生活の一部を覗き見ることができました。想像以上の変人(勿論良い意味で)でした。また訪問したいと思います。

映画、物への愛情が強く感じられました。そしてお父様(万作先生)へも......。気に入ったデザイン、物を使い続けること、見習いたいと思ってもなかなかできない。これからの生活、仕事への心がまえとしていきたいと思います。
p.s.『お葬式』の予告編、シリアスなトルコ映画『路』の上映前で印象に残っています。

今日は、前から来たかった収蔵庫ツアーに来られて、とても、うれしかったです。手回し式のイラスト閲覧台などがある展示室も楽しめましたが、収蔵庫では、伊丹さんの仕事や、作品に対する考え方にふれられて、とてもよかったです。

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収蔵庫と言うと、倉庫のようなものだと思っていましたが、全く予想に反して、伊丹さんのテーマパークのような楽しい世界だったので、大変「お得」な気持ちになりました。モノ、本、生活用品の収蔵庫での展示は、展示室とは又違った印象で、より身近に伊丹さんを感じることができました。
今後も伊丹さんに関係する新しい物品等が見つかれば、ぜひ収集して展示していただければ幸いです。

今回のツアーで十三氏の人柄が何となく伝わり、貴重な体験をさせて頂きました。

今回初めて参加させていただきました。「マルチな才能」の一言では足りない、伊丹さんのお人柄にもせまれる貴重な60分でした。来週末はゆっくりと映画のDVDを鑑賞して過ごしたいと思います。

伊丹さんの蔵書が特に興味深かった。料理が大好きな所やこだわりを持つ所など収蔵庫から改めて感じることができた。靴のBefore/Afterが見られたことがとても貴重だった。また、山口瞳さんの本を古本屋で購入してツアーで紹介するスタッフさんから伊丹愛を感じた。

二度目の参加ですが、伊丹さんのことはもっともっと知りたいし、感じたいと思っています。近づくとしんどいだろう、けど、遠くからずっと見ていたい人だと思って記念館に来ています。

松山が好きで引越しして来ましたら、ドライブ中にこの記念館を知りました。そして、今日も親切な案内を受け、楽しみが増えました。

昨年亡くなった母と同年代だったとは......。母も映画を観たりしておりました。一緒に伺えたらと思わずにはいられませんでした。大阪から福岡へ、そして松山での暮らしが始まって3週間です。又、是非伺わせて頂きます。

湯河原のご自宅に伊丹さんがお留守のときにお邪魔したような、とても不思議な気持ちになりました。伊丹さんのこだわった「モノ」のオーラがひしひしと伝わってきました。

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開館記念日のたびに開催してきましたので、今年で9回目になりました。(※春と秋にはメンバーズカード会員限定のツアーもございます。)
初めの何年かはお話できることがほんとうに少なくて、伊丹プロダクションの社長でもある玉置館長代行にすがりついてガイドをお願いしたこともありました。

今では、お客様とのひとときを楽しみながら進められるようになりましたし、ある種、年に一度の"成果報告"や"学習発表会"のように捉えて張り切って臨んでいますが、それぞれの方の「伊丹さん像」や「伊丹さんと記念館のどんなところを好いてくださっているか」、それから、自分の勉強不足な分野のことでお詳しい方がいらっしゃったときなどなど、お客様から教えていただくことがたくさんあります。

記念館のごくご近所から、ご遠方から、長年のファンの方、最近伊丹さんに興味を持ち始めてくださった方、初めてのご来館の方、何度もお越しくださっている方、どなた様も、まことにありがとうございました。
今回のツアーの経験は、必ずや、今後のツアーを充実させるための糧にいたします。

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これからもジワジワと成長を続けられるようにスタッフ一同励んでまいりますので、10年目の伊丹十三記念館、引き続きどうぞよろしくお願い申しあげます。

記念イベントの無料開館と収蔵庫ツアーは終了いたしましたが、グッズショップ・オンラインショップでの期間限定プレゼントは5月いっぱい続けます!

学芸員:中野

*******お知らせ******

宮本信子館長が"出勤"いたします!

日時:6月2日(木)11時頃~16時頃

当日の状況により、滞在時間は変更になることがありますのでご了承ください。
館長&スタッフ一同、皆様のご来館を楽しみにお待ちしております。

2016.05.09 グッズショップよりお知らせ

5月15日は、伊丹さんの誕生日であり、ここ伊丹十三記念館の開館記念日です。


2007年にオープンして以来、たくさんのお客様や関係者の皆さまに支えられ、今月15日には9周年を迎えます。
いつ・何度お越しくださっても楽しんでいただける記念館であるよう、スタッフ一同より一層励んでいきますので、今度とも伊丹十三記念館をよろしくお願いいたします。

さてそんな5月の記念館から、グッズショップをご利用のお客様に、ささやかながらプレゼントをご用意いたしました。

1) 復刻版・金榮堂ブックカバー

惜しまれながら1997年に閉店してしまった北九州市小倉の老舗書店「金榮堂」。
いまだに根強いファンの方も多いこの名書店のブックカバーは、実は伊丹さんがデザインしたものです。
実際に金榮堂に行かれたり本を買ったりされた方は、入浴しながら読書をしている男性、背中に猫を乗せて読書をしている男性が描かれたブックカバーをご存知の方も多いかもしれませんね。

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書籍「伊丹十三の本」(新潮社)でも紹介されているこのブックカバー(復刻版)を、5月1日~30日の期間中、対象商品をお買い上げのお客様にプレゼントいたします。

対象商品:
伊丹十三記念館ガイドブック/映画『お葬式』シナリオつき絵コンテノート/伊丹万作エッセイ集/伊丹十三の本/伊丹十三の映画/万作と草田男-「楽天」の絆

2) 『マルサの女2』缶バッジ

伊丹十三監督映画『マルサの女2』(1988年)公開時にプロモーショングッズとして製作された非売品です。スタッフがベストにつけているのを見て「あれは販売してないの?」と尋ねられることもあるこの缶バッジを、対象商品をお買い上げの方お一人につきおひとつプレゼントいたします。数に限りがありますので、20個限定とさせていただきます。お早めに!

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対象商品:
DVD13の顔を持つ男/伊丹十三の映画/伊丹十三監督映画作品Blu-Ray※
※伊丹十三監督映画作品Blu-rayはオンラインショップでの取り扱いはありません。

オンラインショップでのお買い上げも対象です。この機会にぜひどうぞ!

スタッフ:山岡

2016.05.02 シェイヴド・フィッシュ

記念館で販売しておりますオリジナルグッズに、伊丹さんのイラストを用いたゴム印があります。どれも遊び心のあるイラストで、人気があります。
S・M・L 3つのサイズがあり、デザインもさまざまなのですが(オンラインショップでご覧いただけます)、Mサイズのこちらの2点は、伊丹さんのエッセイ「鬚(ひげ)を剃った魚の話」(『女たちよ!』に収録)の挿絵を使用しています。

stamp_up.JPGお客様から「猫と"ねずみ"ですよね?」と聞かれることがあります。小さなゴム印ですので、猫と並べると一瞬ねずみかなと思ってしまう左のイラスト、よくご覧いただきますと「えら」がありますよね。「魚」なのです。

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お客様から、「このイラストが挿絵のエッセイって、どんな内容ですか?」とご質問いただくことがございますので、簡単にご紹介させていただきますね。
――伊丹さんがロンドンにいた頃、日本の商品を豊富に扱う食料品店を利用していたことから始まるエピソードです(以下、エッセイの一部引用です)。

(前略)ロンドンのわが家の台所は、常に日本の食料品で潤っていた。
 うちの家主はデリク・プラウスといって日本へもきたことがある評論家であるが、相当な日本通であるからして、うちの台所には常に好奇の目を光らせている。
 梅干や葉唐辛子の瓶を手に取って永い間小首をかしげていたりする。
 彼の趣味は、日本の商品に印刷してある英文の解説を読むことであった。その怪しげというか奇想天外というか、不思議千万の英文を熟読玩味するのが趣味なのである。(中略)
 ある時、彼がごく不思議そうな顔で、これはなんだという。見ると手に「削り節」の箱を持っている。
 つまりそれは固く干しかためたマッカレルを機械で削ったものさ、と説明すると彼はいきなり気が狂ったように笑い出した。
「だって、この箱には鬚を剃った魚と書いてあるぜ」
 そういってますます笑い転げるのである。私も仕方なく少し笑ったが、つまりこういうことなのだ。
 英語で、鉋(かんな)の削り屑を「シェイヴィング」という。鉋で削ることを「シェイヴ」という。それ故に――と鰹節屋の大学生の息子は考えたに違いないのだ――削られた魚は「シェイヴド・フィッシュ」であるに違いない、と。
 語学において三段論法を適用する過ちはここにある。「シェイヴド・フィッシュ」はあくまでも鬚を剃った魚であって「削り節」にはならない。
 強いていえば「フィッシュ・シェイヴィング」でもあろうか。これでも魚の鬚剃り、という印象を免れない。
 「シェイヴド・フィッシュ」は彼によほど強い印象を与えたに違いない。彼は私に「シェイヴド・フィッシュ」の絵を描いてくれと子供のようにせがむのであった。(後略)

――「鬚を剃った魚の話」『女たちよ!』(1968年)より

――というわけで、「カミソリをといでいる理髪師の猫」と「理髪店の椅子に座っている魚」の絵を伊丹さんが描いたんですね。とても伊丹さんらしい絵だなと思います。
このエッセイをお客様にご紹介いたしますと、「じゃあ、2つのゴム印をセットで買わなきゃね」とおっしゃっていただくことがあります。確かに、並べると一層楽しいですね。

ゴム印以外にも、グッズショップで販売している缶バッジやシールにこのイラストを使用しています。

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エッセイ『女たちよ!』とあわせてお買い求めくださるお客様もいらっしゃいます。皆様も、ぜひどうぞ。

スタッフ:淺野