記念館便り ― 記念館からみなさまへ

記念館便り

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。

2015.03.23 荘村清志・宮本信子 ジョイントライブ

既に当館ホームページ「ニュース欄」でお知らせさせていただきましたが、今年の開館記念日(5月15日)に、開館8周年記念イベントの1つとして「荘村清志・宮本信子 ジョイントライブ」を開催することになりました。

corridor_2.jpg記念館中庭の回廊で開催するスタンディングライブです。


日本を代表するギター奏者の荘村清志さんが宮本館長とご一緒なさるということで、楽しみにしてくださっている方も多いことと存じます。

ところで皆さま、荘村さんと伊丹さんのご関係をご存知でしょうか。
荘村さんのご活躍はよくご存知でも、「伊丹さんとのご関係」はご存知ない方もいらっしゃるかと存じますので、本日はその点をご紹介させていただきますね。

実は、荘村さんと伊丹さんは従兄弟同士――荘村さんのお母様のお兄様が伊丹万作(伊丹十三の父)――なのです。

お二人が初めて会ったのは1963年。荘村さんが中学3年生(伊丹さんはその14歳年上)の時のことでした。

その年に来日したナルシソ・イエペス氏(ギター奏者・作曲家)に認められた荘村さんは、翌年からスペインへ渡ってイエペス氏に師事することが決まっていました。そこで、渡欧を記念した荘村さんのリサイタルを開催することになったのですが――その時、荘村さんのお父様が伊丹さんにリサイタルのポスターデザインを依頼なさったそうなのです。

挨拶のため、初めて伊丹さんの自宅を訪れた荘村さんは、勉強していたバッハの「シャコンヌ」を伊丹さんの前で演奏なさいました。それを聴いた伊丹さん、ヴァイオリニストのカール・フレッシュが解説しているシャコンヌの本を取り出して、荘村さんにプレゼントしたそうですよ。

才能あふれる従弟が奏でるシャコンヌを聴いて、伊丹さんはどんな想いを抱いたのでしょう。完成したリサイタルのポスターは、美しい伊丹明朝でデザインされています。

recital.jpg伊丹さんがデザインした
荘村さんの渡欧記念リサイタルポスター


その後、留学を終えて帰国してからも、荘村さんはときどき伊丹さんに会われたそうです。その頃のエピソードは、『伊丹十三記念館 ガイドブック』に、荘村さんご自身による文章が掲載されていますので、ご興味のある方は是非ご覧ください。

5月15日に開催されるライブ、荘村さんは宮本館長とご一緒にどんな演奏をお聴かせくださるのでしょうか。とっても楽しみです。

ご参加いただくには、当日配布の整理券と入館料が必要です(先着150名様)。
配布方法・注意事項などの詳細はこちらをご覧ください(中庭でのライブのため、悪天候の場合は中止となります。何卒ご了承くださいませ)。

なお、開館8周年記念イベントは他にもございます。

●    4月5日(日) 無料開館 
●    5月9日(土)~11日(月) 収蔵庫ツアー(応募制) 

皆さまのご来館を、スタッフ一同お待ちしております!

スタッフ:淺野