記念館便り ― 記念館からみなさまへ

記念館便り

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。

2014.02.24 記念館の建物

「車に乗っていたら黒いハコ型の建物が見えたから、何かな~と思って寄ってみたんですよ」

つい先日、ドライブ中にお立ち寄りくださったご夫婦のお言葉です。

 

ここ伊丹十三記念館は、たくさんの人が行き交う「国道33号線」沿いにあります(周辺地図はコチラをご覧下さい)。その道すがら、冒頭のご夫婦のようにふと記念館に目をとめ「あの黒い建物はなんだろう?」と思って記念館に立ち寄って下さる方は、決して少なくありません。

そんなお客様から「こんな素敵な場所があったんですね」「建物につられて寄ったけど、来て良かった」などとお言葉を頂戴することもしばしば。建物が与えてくれる嬉しいご縁です。 

 

そして、そんなステキな建物は、実はこんなところにも表されているんです。

 

下の二つの写真は、当館のショップで販売しているお土産人気ナンバーワンの「十三饅頭」と、安産と子育ての縁起物として、産前産後の贈り物に最適な「張り子の犬」です。

 

十三饅頭 (250x167).jpg

【十三饅頭。甘さ控えめのこし餡で、上品な味わい。「十三」のロゴが入っています。】

 

張り子2 (250x167).jpg

【張り子の犬。パッケージのイラストも伊丹さんが描いたものです】  

 

それぞれのパッケージを見て「あれ?」と思われる方もいらっしゃるのではないでしょうか。

 

そうです、どちらも、記念館の建物を模したパッケージになっています。

くり抜いた部分は中庭、黒い部分は記念館の外壁に使われている焼き杉板をイメージしているんです。

 

そして、次の写真はカフェ・タンポポで召し上がっていただけるチョコレートケーキです。フランス製のチョコレートを使用し、真ん中にはミントの葉っぱを乗せています。

いかがでしょうか。まさに記念館!ですよね。

 

チョコレート (250x167).jpg

【カフェ・タンポポのチョコレートケーキ。目でも舌でも楽しめます!】

 

建物がパッケージやケーキで表せてしまうとは!

最初に知ったときは非常に驚き、それ以上に愉しい気分になりました。

このユーモア、遊び、そしてこだわり。「伊丹十三」記念館ならではだと思います。


そんな伊丹十三記念館に、お近くにお越しの際はぜひ立ち寄ってみてくださいね。

 

ユキヤナギ (250x167).jpg

【記念館入口横のユキヤナギ。つい先日、白い花をつけました。

小さな春の訪れです】

スタッフ:山岡

2014.02.17 祝日の過ごし方

月曜日に記念館にお越しくださったお客様から、「月曜日だから休館日かなと思ったんだけど、開館していてよかった!」とお声をかけていただくことがあります。
そうなんです。ミュージアムは月曜休館のところが多いのですが、当館は火曜日を休館日としておりまして、月曜日は開館しております(保守点検日や年末年始は除きます)。

月曜日と言えば、仕事や学校がお休みになることも多いですよね。

国民の祝日の一部を月曜日に移動させた「ハッピーマンデー制度」がスタートしてから10年以上経ちましたし、学生のみなさまは、月曜日が学校行事の振替休日になることもありますよね。

そんな「お休みの月曜日」には、記念館にいらっしゃいませんか?

「連休明けは仕事が山積みだから、連休最終日に出かけるなら人ごみに巻き込まれずにゆっくりできるところがいい」という声を聞いたことがあります。自分のペースで静かに過ごせるミュージアムは、祝日や振替休日の月曜日に訪れるのに、ちょうど良いかもしれませんよ。

さらに、2014年は火曜日の祝日が多いんです。

 2月11日  建国記念の日
  4月29日  昭和の日
  9月23日  秋分の日
12月23日   天皇誕生日

計4日もあります。ハッピーマンデー(成人の日・海の日・敬老の日・体育の日の計4日)と同じ回数ですね。

火曜祝日だと飛石連休になってしまって損した気分......という声も聞こえてきそうですが、平日の間の小休止、こちらもまたミュージアムを訪れるのにはお勧めです。
火曜日を休館日に設定している当館も、祝日の場合は開館しておりますのでご安心ください(その場合、翌水曜日を振替休館日としておりますので、お気をつけくださいませ)。
※記念館の詳しい開館スケジュールは、ホームページトップの開館カレンダーでご確認いただけます。

昨年12月にスタートした企画展は、旅をテーマにしています。記念館にいながら旅する気分を味わえますから、翌日に仕事や学校が控えているお休みの月曜日や飛石連休の火曜日に、気分転換としていかがでしょうか。

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記念館前の土手には、もう菜の花が咲いています。
春にかけてしばらく楽しめますので、ご来館の折にはぜひご覧ください。

皆様のお越しをお待ちしております。

スタッフ:淺野

2014.02.10 オリンピックイヤーと伊丹映画

ソチオリンピックが始まりました。
「ちょっとがんばって起きたままでいれば見られる」という程度の時差のおかげで、連日寝不足の方も多いかと思います。

オリンピックのたびに、テレビ番組や家族・友人との会話で「○○オリンピックのときは△△選手が~」と話題になったり、「あのときは●歳で●年生で~」とか「あの頃世間ではこんな出来事が~」とか、いろいろな記憶を反芻する機会ができたりもしますね。
年若い人に「えっ、カール・ルイス知らないの? 原田さんの『ふなきぃぃぃ~』も知らないの? そうかぁ~」などと驚いてみせながら、年齢を重ねて名選手や名勝負を語れる優越感にちょっとひたったりもしますよね。(あれ? 私だけでしょうか?)

話がそれてしまいましたが、オリンピックというのは、大会そのもの、競技そのものだけでなく、ごく私的なことや世相とセットになって記憶にしまわれるもののようです。映画にもそういうところがありますね。

それでフと気になったものですから、オリンピックイヤーの伊丹十三監督作品について書き出してみました。


ososhiki.jpg伊丹さんの監督デビュー作は
サラエヴォ五輪・ロサンゼルス五輪と"同い年"

1984年
<五輪>
 第14回冬季五輪 サラエヴォ(ユーゴスラビア)
 第23回夏季五輪 ロサンゼルス(アメリカ)
<伊丹映画>
 『お葬式』で監督デビュー。8月湯布院映画祭出品、11月公開。

1988年
<五輪>
 第15回冬季五輪 カルガリー(カナダ)
 第24回夏季五輪 ソウル(韓国)
<伊丹映画>
 1月『マルサの女2』公開。
 2月『マルサの女』日本アカデミー賞最優秀作品賞・監督賞・脚本賞など受賞。

1992年
<五輪>
 第16回冬季五輪 アルベールヴィル(フランス)
 第25回夏季五輪 バルセロナ(スペイン)
<伊丹映画>
 5月『ミンボーの女』公開。

1994年
<五輪>
 第17回冬季五輪 リレハンメル(ノルウェー)

1996年
<五輪>
 第26回夏季五輪 アトランタ(アメリカ)
<伊丹映画>
 6月『スーパーの女』公開。

近代オリンピックは1984年のロサンゼルス大会から商業主義に大きく舵を切って、スポンサー料など莫大なお金の動くショービジネスになった、と言われています。
報道を通して正体不明の愛国心やグローバリズムを目くらまし的に植えつけられているような気持ちになったりするのも、この商業化・大規模化の延長にあることのような気がします。

そのようなオリンピックの激変の年に監督デビューして、エンタテインメント性で多くの観客を惹きつけながら、日本人論をテーマとする映画を作り続けたことに、あらためて伊丹十三の功績を思い、「うーむ」と唸らずにはいられません。

(実際のところの伊丹さんは...たとえば1984年、サラエヴォ大会期間中は『お葬式』の準備稿台本を刷って制作資金集めに奔走していた頃で、ロサンゼルス大会期間には『お葬式』の編集作業を終えて録音・ダビングにかかりきりだったので、オリンピックに目をくれる暇もなかっただろうとは思うのですが...)

ところで、リレハンメル大会が開催された1994年は、『大病人』と『静かな生活』の間の年で、監督作品を発表していません。が、1989年にロサンゼルスに設立したITAMI FILMSを拠点にハリウッドでの映画作りの準備中だったため(残念ながら実現にはいたりませんでしたが)、なかなかに忙しかったようです。
そうした中、伊丹さんはある目的のために愛媛を訪れていました。その時に手に入れた砥部焼を企画展に展示しています。


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1994年来県の「ある目的」、「その時に手に入れた砥部焼」には、実に伊丹さんらしいエピソードがあるのです。それについては、展示解説でご説明しているのですが、次回ここで詳しくお話しすることにいたしましょう。

それでは、寒さと睡眠不足でお風邪など召されませんよう、どなた様もくれぐれもご自愛ください。

学芸員:中野

2014.02.03 大豆

本日2月3日は節分です。


2週間くらい前からでしょうか、スーパーへ行くと節分コーナーが設けられていて、炒り大豆や鬼の面がたくさん並べられています。おいしそうな恵方巻が載っているチラシもよく見ますよね。

 

このような行事がある時、面白いなぁと思うのが、それぞれのご家庭や地域で色々なやり方があることです。

我が家の節分では、恵方を向いて無言で恵方巻にかぶりついて、「鬼は外、福は内」と言いながら豆を撒いて、年の数だけ豆を食べます(ただこの「年の数だけ豆を食べる」は、数年前に還暦を迎えた両親にはキツイらしく、毎年早々にギブアップしてしまいます。私は自分の年齢の数をはるかに超えた豆を、ただひたすらぽりぽりと食べ続けます...)。

ご家庭や地域によっては、落花生やお菓子を撒いたり、掛け声が「鬼は内、福は内」であったりするそうですね。けんちん汁や節分そばを食べる場合もあるのだとか。
皆さまのご家庭ではいかがでしょうか。

 

IMG_9095 (640x427) (400x267).jpg【撒いたあとの残りはおいしくいただきます】

 

さて大豆といえば、様々な食品に加工されて、食卓には欠かせない食材ですよね。
納豆、豆腐、きな粉、ゆば、おから、味噌、醤油...等々。考えてみると、大豆食品って本当にたくさんあるのですね!今更ですがびっくりしてしまいます。
その中の一つ、豆乳。ご存知の方も多いと思いますが、良質なタンパク質や脂質を含んでカロリーが低く、悪玉コレステロールを下げる効果もあるそうですね。

 

巷では豆乳を使ったレシピが数多くありますが、記念館のカフェ・タンポポでも、この豆乳を使った飲み物をご用意しております。
特にホットの豆乳メニューは、寒くなるとじわじわとオーダー数を伸ばしてくる、冬のおすすめメニューでございます。

 

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【写真は豆乳コーヒーです。豆乳紅茶もございます。

豆乳コーヒーはカフェオレ風に、豆乳紅茶はチャイ風になります】


  soi[1].jpg【ソイジンジャー。手作りのオリジナルしょうがシロップを使っています】

 

お好みのメニューはどれでしょうか。
カフェ・タンポポにお立ち寄りの際には、ぜひオーダーしてみてくださいね。

スタッフ:山岡