記念館便り ― 記念館からみなさまへ

記念館便り

こちらでは記念館の最新の情報や近況、そして学芸員やスタッフによる日々のちょっとした出来事など、あまり形を決めずに様々な事を掲載していきます。

2013.07.08 健康

記念館便りをご覧の皆さま、こんにちは。
昼間に暑いと思えば朝晩が肌寒かったり、湿度が非常に高くじっとりしていたりと、体調管理も大変な時期ですが、皆さま元気でお過ごしでしょうか。

 

いきなりわたくしごとで恐縮ですが、最近、思いっきりのど風邪をひいてしまいました。声が出にくいなぁと思いながら眠った翌朝に声が出なくなり、病院でいただいた薬を飲んでやっと、野太くも「声」と呼べるものが出るようになった、という有様でした。影響があったのは声だけで、体は普段通りなので元気に(?)出勤いたしましたが、野太い声で受付をいたしましたので、びっくりされたお客様がいらっしゃったのではないでしょうか...。この場を借りてお詫び申し上げます。

 

さて、おなじみ伊丹さんの著書『女たちよ!』にこんな記載がありますので、少しご紹介します。

 

 「子供の頃、よく病気をしたが、病気で苦しかった記憶は一度もない。むしろ、病気というものは、生活を一変させる魔法であった。苦痛というよりは、むしろ快楽に近い、甘美なものであった。
 
そもそも、あの熱っぽく、気怠いところからして愉しい。こういう時には、蒲団の中で黙って目を瞑っていても決して退屈しないのである。...(以下略)」(『女たちよ!』−小さな病人の快楽−)

 

大人になってこの文章を読んだとき、「そうそう、子どもの頃、風邪で寝込んだとき確かにそうだった!」と大いにうなずきました(今寝込むと「せっかくの休みなのに寝て終わってしまった...」とがっかり感が勝ってしまうのですが)。
体のしんどさはありますが、それでもなんとなく嬉しくて、楽しかったのを覚えています。ぼんやりした頭で普段考えないようなことを考えたり、逆に何も考えなかったり、普段はあまり食べないおかゆなどを自分だけに作ってもらったり...。ちょっとした「非日常」を体験できて、それが楽しかったのだと思います。先日、風邪をひいて学校を休んだ甥っ子に付き添った時も、「やっぱりどこか嬉しそうにみえるなぁ」と、この文章を思い出しました。
皆さまは、いかがだったでしょうか?

 

女たちよ (800x533) (314x209).jpg【エッセイ『女たちよ!』(新潮文庫)。伊丹さんのエッセイは、なるほど!とか、そうそう、そうだよね!というものが多く、楽しく読めてしまいます。もしまだ読まれていない方は、ぜひ読んでみてくださいね。】

 

とはいえ、やはり、記念館にお越しいただくお客様をお迎えするためには、健康が一番です!「いらっしゃいませ、こんにちは!」と、元気にお迎えできるよう、体調管理をしっかり行っていきたいと思います。
皆さまも、くれぐれもご自愛くださいね。

スタッフ:山岡